9日に大阪湾の淀川河口で見つかり、地元では「よどちゃん」の愛称もつけられた“迷いクジラ”は、死んでいることが4日後の13日に確認された。クジラの生態に詳しい国立科学博物館の田島木綿子研究主幹によると、「クジラの体長は15メートルほどのマッコウクジラとみられ、成熟したオスの個体ではないか」という。

今後、自治体が処分方法などを検討するということだが、いったい「よどちゃん」はこのあとどうなるのか。

田島研究主幹は処分の行方についてこう指摘する。

「大阪湾にこれほど大きなクジラが迷い込んだのは初めて。なぜ浅いところまで来てしまったのか、なぜ弱って死んだのか解剖して調べる必要がある。胃の内容物を調べて海洋プラスチックが出てきたらそういう研究にもつながる。」

時間が経てば腐敗が進行し、強烈な悪臭も放つ。肉がもろくなってクレーンを使った陸揚げも困難になる。体内にガスがたまり爆発する危険もあるという。

田島研究主幹はすでに他の研究機関や大学の研究者とともに調査チームを編成しており、要請があれば即応できる体制をとっているという。また地元の大阪市立自然史博物館が全身骨格の標本にしたいとして引き取りをすでに希望している。

田島研究主幹は「今回は大阪湾で見つかったわけですが、大阪では2025年に万博があります。大阪・関西万博は「いのち」について考えることがテーマ。今回のクジラをシンボルに、全身骨格の標本を展示するなどして、「いのち」を考えるきっかけにつながればとも思います。」

https://news.yahoo.co.jp/articles/50be27711a5d65534a74f26b757e75bb7226c1d1