「この用紙をご覧下さい」

少し大げさなくらいに整った身なりをした男が広げたのは、B4ほどの大きさの紙だった。
そこには難解そうな専門用語が羅列され、また片側にはなんだかよく分からない数値が記載されていた。

「これは新K式テストに基づいて算出されたお子さんの知能検査の結果です。しんのすけ君の値は、このように言語性IQと動作性IQが著しく異なっています」

少し頼りなさそうな細指が、91と書かれた部分と123と書かれた数値を示した。
そして数値の左端に、赤いマーカーで小さな印が付けられていた。

「言語性IQと動作性IQの差がボーダー値である15よりも圧倒的に大きい、すなわち発達障害である可能性が非常に高いと言えます」