「急減圧」は本当にあったのか
事故調査委員会はこの減圧についての計算を行い、異常発生の8秒後には機内の与圧はすべて失われ、気温もマイナス40度にまで低下したことを示唆している。
事故発生時、高度は23,900フィート(7,285m)で、気圧や酸素濃度は地上の半分以下。
もし急減圧があったなら、耳の鼓膜が破れるか痛くて一時的に何も聞こえなくなり、酸素濃度が低いため意識がもうろうとする危険な状態になるが、ボイスレコーダーの音声からは操縦室で3人とも最期まで酸素マスクを使用した形跡がなく、特に身体的な異常も訴えていない。
生存者も室温の低下や強風も感じなかったと証言していることから、事故機に急減圧はなく圧力隔壁の損壊により客室内部の空気圧が垂直尾翼を破壊したとする事故調の結論は破綻しているとの主張がある。