プーチン氏はロシアと同じくスラブ系民族が多数を占めるウクライナを兄弟国家と呼んできた。ただ同氏が「崇高な使命」とする軍事作戦の主力は、非スラブ系の少数民族や低所得者からなる契約兵たちだ。
 メディアゾーナが分析した地域別の戦死者数トップは、イスラム系のダゲスタン共和国。プーチン氏が9月21日に動員令を発動すると抗議デモが起きた。極右的な言動で知られるイスラム系のチェチェン共和国、カディロフ首長も「既にチェチェンから多くの兵を出した」として、動員発動を見送った。住民の反発を恐れたとみられる。
 一方、ロシアの人口の10%を占める首都モスクワの戦死者は24人にとどまる。契約兵に志願する人間は少なく、「まともな職があれば軍事作戦に参加するはずがない」(モスクワの60代男性)との声も。
 独立系メディア、メドゥーザによると、動員令でモスクワに割り当てられた人数は全国のうちのわずか1%。メディアの目が行き届かず、反体制派が少ない辺境から兵士を駆り出す意図があるとしている。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/205896