昔あった話をしようぜ
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
昔々、応長の頃、西暦1311年頃の話である
伊勢国から鬼になった女がやってきたと都で大騒ぎになったことがあった
たくさんの人が、昨日はあちらに鬼が今日は西園寺に鬼がなどと噂をして、都のあちこちを連日大騒ぎしながら移動していまた 昔々あるところおじいさんとおばさんが末永く暮らしていましたとさ そんなある日、四条より北に住んでいる人々がみな北を目指して歩いていた
一条室町のあたりに鬼がいたと騒いでいる そこで、今出川の辺りから見ると、院の御所の桟敷のあたりに人がたくさんひしめき合っていたので、本当に鬼がいるのでは?と人をそこに見に行かせた しかし、実際に鬼に会ったという人はついぞ誰もおらず、騒ぎの果てには喧嘩も起きる有様だった その頃、二、三日病気になる人々が多かったので、この鬼の虚言はこの病の兆しであったと話す人もいた 今も昔も噂に振り回される人のあさましさは変わらないものだなぁ 人が密になって病気が広がりやすい状態になったんだな ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています