商人「今日は掘り出し物がありましてね…」船長「買う!」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
……
船長「おーい!」
下っ端「あ、船長! どこ行ってたんすかこの忙しいときに」
船長「おい下っ端! めっちゃすごいお宝を見つけたぞ!」
下っ端「お宝?」
船長「見ろ!」バン!
下っ端「……羅針盤? ずいぶんボロっちいっすね」
船長「このなんともいえない古めかしさがなんかお宝っぽいだろ」
下っ端「はぁ」 船長「これは女神の羅針盤って言ってな、ありがたい女神様のパワーで持ち主の進むべき道を教えてくれるすごいアイテムなんだ」
下っ端「うーん……なんかうさんくさいっすね。そんなのどこで見つけてきたんすか」
船長「露天で買った」
下っ端「……………………」 船長「さっそく使ってみようぜ!」
船長「羅針盤よ、我が道を指し示したまえ!」
羅針盤「>>5」 羅針盤「ごめん、無理」
船長「……」
下っ端「……」 船長「……」
下っ端「……いや、あの……」
船長「すげえ!! 羅針盤に文字が浮かんできたぞ!!」
船長「こいつはホンモノに違いねえ!!」
下っ端「うーん……」 下っ端「あの、船長、この変な羅針盤のことはいいですからもうそろそろ……」
船長「ああ、そうだったな! 今日は快晴! 絶好の船出日よりだ!」
下っ端「船長がどっか行ってる間ずっと俺一人で準備してたんすけど」
船長「おう、ありがとな!」
下っ端「はぁ……」 下っ端「それで出航当日だってのに、他の連中はまだ来ないんすか。乗組員、雇ったんすよね」
船長「ああ、それな……」
下っ端「初っ端から全員遅刻とかやる気あるんすかねそいつら」
船長「この羅針盤買ったらお金無くなっちゃったんだ」
下っ端「はぁ……。 えっ?」
船長「……お給料が払えなくなっちゃったからもう誰も雇えない」
下っ端「…………はぁ?」 船長「こうなっちゃったもんは仕方ない。俺とお前だけで行くぞ」
下っ端「……」
船長「幸い買ったばかりのこの船は最新式で魔法の力でいろいろ動いてくれるから、俺たち二人でもなんとかなるはずだ」
下っ端「……」
船長「なぁに、心配すんな! 船長だからってふんぞりかえったりしないぞ! こうなったからには俺もキビキビ働く所存だ!」
下っ端「船長……」
下っ端「謝んないなら自分も船降りていいっすか」
船長「……ごめんなさい」 ザザーン…
船長「帆、ヨシ! 風ヨシ! 天気ヨシ!」
船長「まるで今日という日が俺たちの船出を祝福してくれてるかのようだな……」
船長「……よし、出航だ!!」
下っ端「格好つけてないで働いてもらっていいですか」
船長「あ、はい」 船長「とりあえず今回の船旅の目的だが」
下っ端「お金稼ぎですよね」
船長「うん。我々の国、魔王の襲撃でぐちゃぐちゃになっちゃったからな……」
船長「特産の鉱石は他の国ではすごい貴重なものだから高額で取引できる」
船長「船乗りに国からの補助が出てるから、俺たち以外にも有志達が出て行ってるはずだぞ」
下っ端「俺らは随分出遅れちゃいましたけどね」
船長「船の完成まで結構かかっちゃったからな」 数日後
船長「今日も順調だな」
下っ端「そうっすね」
船長「次の島まではあと2日くらいかかるんだっけ?」
下っ端「本当ならもうちょっとかかるんですけど、この船結構いい魔石使ってますからね。他と比べてだいぶ速い方だと思いますよ」
船長「……なあ、もっかいあの羅針盤使ってみないか?」
下っ端「羅針盤……? ああ、あのガラクタ」
船長「ガラクタじゃねえよ」 船長「最初に使ったのはいきなりだったしな。女神様も知らんやつのことはうまく占えないもんだろ」
下っ端(占いて)
船長「羅針盤よ、何かお告げとかくれ!」
羅針盤「>>20」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています