一部のカメは確かに、お尻の穴を使って呼吸できますが、厳密にはカメのお尻の穴は「総排泄腔(そうはいせつこう、cloaca)」と呼びます。

これは鳥類などでも同様ですが、生殖や産卵、排泄を一手に担う開口部のことです。彼らはうんちもおしっこも、性殖も全部同じ1つの穴を使っているのです。

なのでカメの行う腸呼吸は、「総排泄腔呼吸(cloacal respiration)」とも呼ばれます。

腸呼吸の基本的な仕組みは、次の通りです。

まず、カメは水中にいながら、総排泄腔を通して水を取り込み、内部にある一対2つの袋状の器官(bursae:嚢)に送り込みます。

袋の内部には、小さな突起状の乳頭(papillae)が生えており、これらが水に含まれる酸素を吸収して、体中の血流に拡散するのです。

こうしてカメは、水中にいながら酸素を体内に回すことができます。

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