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2022/07/30(土) 01:10:41.076ID:XLilLdKP0(1)外患誘致罪とは
刑法第81条は「外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する」としています。外患誘致罪といい、外患援助罪や予備および陰謀罪とともに「外患に関する罪」として定められています。日本の安全を侵害する目的で外国と共謀し、日本への攻撃を誘発する行為を処罰する犯罪です。
(2)法定刑は死刑のみ
外患誘致罪の法定刑は「死刑」のみです。すなわち裁判で有罪が確定すれば、酌量減軽(刑法第66条)などに該当する事由がない限り、必ず死刑が適用されることになります。日本に数ある犯罪の中で法定刑が死刑のみになっているのは本罪だけです。このように刑罰に裁量の余地がない法定刑を絶対的法定刑といいます。
「重い犯罪」と聞くと、一般に殺人や放火の罪などを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、これらの重罪でさえ死刑のほかに無期・有期の懲役という選択肢があります。死刑のみが規定された外患誘致罪がいかに重い罪であるのか、よくわかるでしょう。
死刑しか定められていないのは、外国と通謀して日本国に武力を行使させる行為が、日本に住むすべての人の生命を脅かし、国家の存立にも影響を与えることになるからです。
外患誘致罪の定義
刑法第81条によれば、外患誘致罪の処罰対象となるのは「外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者」です。この条文をもとに犯罪の定義を確認しましょう。
(1)外国と通謀して
「外国」とは、外国の政府や軍隊、外交使節などの国家機関のことをいいます。国民や領土、統治組織など事実上国家としての機能があれば足り、日本やほかの外国が承認していない国でもよいとされています。外国人個人や私的な団体のほか、テロ組織なども含まれません。もっとも、テロ組織と関わりを持てばテロに関する別の法律・罪名で裁かれることになるでしょう。
「通謀」とは、一般に2人以上の者が示し合わせて犯罪などをたくらむことをいいますが、外患誘致罪では外国との間で日本への攻撃に積極的な影響を与える合意をすることを意味します。日本への攻撃を依頼しただけでは通謀といえません。
(2)武力を行使させた
「武力を行使させた」とは、日本に居住する人や国外にいる日本人が外国に対し、日本に攻め込むための行為をさせることをいいます。戦争を勃発させることまでは必要とされておらず、たとえば外国の軍隊を日本の領土に不法侵入させる、ミサイルを撃ち込ませるなどの行為が武力行使とみなされます。サイバー攻撃や経済的手段による報復、あるいは個々の私人・私的団体に向けられたテロ行為などは外患誘致罪の武力行使に含まれません。
武力を行使させることが成立要件のひとつなので、仮に死者などの被害が出ていなくても武力行使があった時点で犯罪が成立します。