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(’-’*川ホントウニシアワセデアレバアルホドコワクナル🌋シアワセガツミデデモアルカノヨウニ🗝コレッテ…🐰🍹♪
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0001jc!ダオ
垢版 |
2022/04/07(木) 21:23:54.173ID:8NMe5VnO0
あのトルメキア軍を全滅させた________
世界の終わりを暗示する吹雪のような瘴気の中にジッとただ王蟲の巨大な亡骸を見つめ続けていた少女に突然強烈な戦慄が走るのでした。まるで忌々しい暗闇の中に紛れた妖しい敵から足音もなくおもむろにその銃口を背中に突きつけられたような。ゾッとして少女は、意味ありげにうずくまるそのアスベルに向き直りました。美しいその瞳の奥には畳みかけるような、冷たく煮え切らないような、既に傷ついてそれが化膿したような怒りが宿って光りました。まるで穢れたものでも見るかのように。
やにわに再び舞い上がる無数の白い胞子。それは止めどなく真っ黒に煙立ち込める雪雲そのもののように重々しく頭上に君臨する異様な空に風もなくふわふわと吸い込まれまれ、やがてそのコントラストの隙間の中から夢でも見ているかのように少女にもかつて聞き覚えのある少し重い鈍いエンジン音が妙に風に漂うように悲し気に、いかにもゆっくりと徐々に徐々にこちらに接近して漏れ伝わるのでした。そこかしこでまだ火のはぜる小さな音。まるで明るい真夜中のようなその小さな雑音にすら紛れてしまうなんともささやかな、実にまだ小さい今にも消え去るような音でした。それはなんとなく物欲しそうに檻の中からおびえてこちらをのぞく獣のような、地獄の底から這い出してきた非常に苦悶する負傷者のような、あらゆる神経が麻痺して夢を見ながら過去を漂う老人のような。まだ言い知れない深い失望によってうずくまったまま地面を見つめ続けるアスベル。接近して通り過ぎたらそれきりだろうこのブリックの音にはついにまだ気づけてはいないようでした。
少女は内心迷いました。無限の黒煙の上で間に間にペジテをうかがう今はまだ得体の知れない航空機は恐らくここペジテの輸送船ブリックであることは間違いないでしょうが、それが街を奪われたペジテの住人を乗せたしたがって避難船であるのならそれはそれで喜ぶべきことです、ですがもしそうでない場合、もし狂ったように奪った船を以て救いがたい邪悪な暴虐を再び働こうとするトルメキア兵たちか或いは、もう何機か厚かましくトルメキアの船も余計に血に飢えた猟犬のように近づいているのだという可能性も低くはないはず。その時は、どうすればいいの?
一体何が起きているの__________?
鉛のように重い雪山の降りしきる止めどない雪のような冷たい緊迫した一瞬でした。もし接近するブリックの存在を知らせたら、絶望に顔を歪める今のアスベルなら常識では考えられない無防備な喜びを瞬間的に爆発させて、後先を考えずに砂漠の真ん中で合図を送って彼らを呼び込んでしまうことを想像することは造作ないことでした。そればかりでなく、自然このままもし黙っていたらこのペジテの王族であり飛行士アスベルからこのままなにか予期できないあのトルメキアとの戦いにおいてなされた驚くべき彼らのはかりごとの一端を知れるのかも知れない。それはひょっとすると風の谷にもきっと無関係ではなく、では必然少女は今はこのまま黙って彼の重い口の開くのに任せてそのまま一言一句を聞き漏らさずに、かくしてその真偽だけを再びその自分の心に確かめれば良いはず。どこまでもそれだけで良いはずでした。でもその時、少女は不思議なことになんとも言えない寒気のするような、運命を冷たい手でその皮膚を食い破るようにしてなに者かに握られているのを確かに感じるのでした。
神さま、どうか__________

残念ながら今日はここまでです。
何らかんらで谷はそのあと何らかんら救われます。予言者のおばあさんもいます。脇を固める子供もいます。
「姫様、青い異国の服を着ているの」
「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。おお、古き言い伝えはまことであった…!」
青い服の少女は微笑みながらなおも金の光の上を歩きます。生まれたばかりの天使のように。

おわり
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