0001以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2022/04/04(月) 21:26:32.216ID:ATOYXpyN0ホテル業のようなサービス業には、これまでずっと根付いてきた“常識”のようなものが多くあり、そこから逸脱するような決断を下すのは難しい。
例えば、テラス蓼科の常識に、温泉・スパ棟でのタオル常備というものがあった。ゲストはわざわざタオルを部屋から持参しなくても温泉を楽しめるというスタイルだった。
だが、裏側の事情を明かすと、このスタイルを維持するためのコストも大きく、ついついタオルを持ち帰ってしまうゲストもいるため、回収にもかなりの手間がかかっていたのだ。
とはいえ、ゲストの利便性を考えてなかなかやり方を変えることができなかった。すでに定着しているサービスをなくすのは、ホテルとしては勇気がいる行為なのだ。
どうするべきか迷っているときにアドバイスをしてくれたのは、上司の細江さんだった。ちなみに細江さんは、トヨタウェイの体現者としてグループ内でよく知られている。
「一度やってみて、ダメならまたすぐに戻せばいい」
その細江さんは次のように提案してくれた。
「トヨタの考え方はね、一度やってみて、ダメならまたすぐに戻せばいいというものだよ。まずはやってみたらいい」
この話を聞いて、私たちは一度、温泉・スパ棟にタオルを常備するのをやめてみた。実際にやってみると、当初予想したような苦情はほとんど出てこなかった。むしろ、タオルの使用を減らすことで環境にも配慮できるので、いいことづくめだった。
朝食券を廃止したのも、同じ考えから出た発想だった。一度やめてみて、問題があれば再開すればいいのだ。
言い方は悪いが、私は日本のサービス業従事者にはプロフェッショナルが少ないと感じている。そのせいで、私たちのようなサービス業で働く人の地位はいつまで経っても高くなっていかない。
プロが少ない理由は、私たちサービス業従事者自身にあると思う。地位を上げていくために、十分な努力を傾けていないのだ。こうした現状を打開するために、私は常に努力を怠らないようにしている。