(’-’*川モシココガマホウノセカイナラマホウガ🗝ノロイノセカイナラアクイナドモ👿ショウセツカイテミタオ🐰マタ🍹♪
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0001jc!ダオ
垢版 |
2022/04/04(月) 21:26:07.855ID:/UYGrRJx00404
二人は煙のはぜる細い通路をそのまま先へと急ぎました。その時、もう取り返しのつかない命をなに者かにあずけ終わってしまった蟲たちは四方八方に冷たく笑うように、動くことすらなくそのままなにごとかを絶えず静かに囁くようでした。やがて中心街に唯一幽霊のようになんとか致命的破壊を免れて姿を残した広く長い石段の前へ出るとアスベルは待ちかねたようになにごとかたまらず、弾けるようにしてそれを黙って駆け上がりました。そして遅れる少女の怪訝な表情をかえりみることもなく、従って必然そのペジテを見下ろす階上の見晴らし台からのその恐ろしい意外な光景に思わず、恐らく心の底からの絶望のため息をもらすのです。
「あああっ…!」
ペジテの真ん中、砂漠の熱風でそのまま突然こと切れたか堂々とその青ざめたようにどす黒いまがまがしい地獄の入り口のようなその巨大な死骸をさらしてこの死の街に陣取るのはやはり他ならぬ王蟲、その寄り添うような恐ろしい二匹の狂おしい姿なのでした。なんという運命でしょう。どこからか激しく突進し、執念深く破壊的侵入を果たした彼らのその丸い巨大な眼は今はいつになく真っ暗で深く、まるで呪いの闇に沈むよう。
「王蟲まで…」
その名をフとこぼす少女。二人のうなだれた肩にひっきりなしに降りしきる白い瘴気の気の触れたようなその渦は、どうやら明らかにこの二体の王蟲の亡骸、その巨大な影を中心にペジテ全域を既に覆うように飛び散って、それは舞い上がる毎にことごとく踊って笑うかのように決して聞こえない悪魔の歌でなに事か残酷に祝うかのようでした。さながら渦巻く頭上の黒煙は地獄の雪雲。真暗な闇からゆらゆら揺れる炎のように、何度も何度も根気よく湧き出て来ては人をゆっくり闇へといざない、それをフと静かにのみ込んでそれから囁くようなそのいかにも凍るような冷たい影ですべてを覆い隠して今はあの強烈な太陽さえ死んだように気配を消しました。
「まさかセンタードームが、食い破られるなんて…」
アスベルは青ざめてその頭を抱えて震えるのでした。世界のすべてを取り返しのつかない漆黒の闇の中へと手放したように。ついに老人のように力なく石段に腰を下ろすと一通りその心をすっかりさいなみ済んだ他ならない罪の述懐でもするように、しばらく考え込んだあと苦しそうに地面に向けてつぶやき始めるのです。
「ペジテはもう終わりだ。トルメキア軍を全滅させたってこれじゃあ…」
「全滅させた…?! どういうこと、アスベル?!」
あのトルメキア軍を全滅させた________
世界の終わりを暗示する吹雪のような瘴気の中にジッと王蟲の巨大な亡骸を見つめ続けていた少女に突然強烈な戦慄が走るのでした。まるで忌々しい暗闇の中に紛れた妖しい敵から足音もなくおもむろにその銃口を背中に突きつけられたような。ゾッとして少女は、意味ありげにうずくまるそのアスベルに向き直りました。美しいその瞳の奥には畳みかけるような、冷たく煮え切らないような、既に傷ついてそれが化膿したような怒りが宿って光りました。まるで穢れたものでも見るかのように。

残念ながら今日はここまでです。
何らかんらで谷はそのあと何らかんら救われます。予言者のおばあさんもいます。脇を固める子供もいます。
「姫様、青い異国の服を着ているの」
「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。おお、古き言い伝えはまことであった…!」
青い服の少女は微笑みながらなおも金の光の上を歩きます。生まれたばかりの天使のように。

おわり
0003以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
垢版 |
2022/04/04(月) 21:27:50.364ID:ndee3su600404
いつもおなじじゃん
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