2023年初頭、ロシアは全ての戦線で完全に押し込まれ、敗戦は避けられない状況に陥っていた。西部戦線ではポーランドとバルト三国を中心としたNATO軍が、南部戦線ではウクライナとアメリカを中心とした多国籍軍が首都モスクワを攻略する準備を進めていた。

2023年4月23日午後の軍事情勢会議においてプーチンは、アレクサンダー・パブロビッチ・ラパン将軍率いる「ラパン軍集団」が、前日にプーチンから与えられたモスクワ救援のための攻撃命令を実行していないと知らされたことで、明らかな神経衰弱に陥った。プーチンは感情を抑えられなくなり、ロシア軍司令官たちの不忠と無能さを怒りに任せて非難し、ついには戦争に敗北したことを初めて認めるに至った。さらに自分はあくまでもモスクワにとどまり、最後には銃で自決すると宣言した。