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2022/02/27(日) 20:44:21.905ID:EBeNkNIp0リハビリ後の社会復帰で知った障害者雇用の過酷
「手帳もらって満足か?」という声が聞こえてきそうなバイタリティあふれるご尊顔
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「就業先の六本木のミッドタウンで倒れたのですが、そこから病院に運ばれ、医師からは48時間以内に出血範囲が広がったら、おそらく脳死状態になる可能性が高いだろうと言われて、実家の両親も長崎から飛んできてある程度の覚悟を決めていたほどです。しかし、2週間の意識不明から奇跡的に目覚めました。
「入院していたある日、回診の先生に『僕はもうダメなんですか?』と聞いたら、おどおどされながら『人生終わったけど頑張ってください』と言われました。彼に悪気はなかったと思うのですが、ああ、終わったのかと思いわんわん泣きました」
そこから増本さんはリハビリに励むようになる。本来なら1日20分すればいいものを1日8時間もやった。なぜそんなにリハビリを頑張れたのかと問うと、暇でやることがなかったからだという。リハビリははっきり言ってつまらなかったが、逆につまらないことを必死でやったらどうなるのだろうという思いもあり、毎日長時間取り組んだ。その懸命なリハビリを4年間続けると、何とか杖を使わずに歩くことができるようになった。また、リハビリ中は働けないので障害年金で過ごした。
そして、なめらかに会話ができるように後遺症の失語と吃音のリハビリに取り組み、倒れる前の半分くらいの感覚まで戻せたと感じた時期にスーツを新調し、結ぶ必要のない、ループタイのような仕組みの片手でつけられるネクタイをつけて障害者雇用枠で就職するための「就活」を始めた。
そこで彼は想像よりはるかに、障害者の就職が困難である現実を知る。面接を何十社と受けても受からないのだ。障害者になる前は某有名企業の営業企画部で数々のプロジェクトを成功させた経験があることを面接で伝えても落とされる。
何とかアルバイトでの障害者雇用に採用されたが、会社に行ってデスクに座っていても何も言われない。仕事を与えられないのだ。そこで、上司に「何をすればいいですか?」と聞くも「君は何もしなくて座ってればいいから」と言われてしまった。障害者になったとしても自分は働くことができる、経験やナレッジを生かして会社に貢献ができると当たり前のように思っていたのに、そうは扱われないことに悩んだが、バイトを辞めるにしても最後に一泡吹かせてやりたいと、昔勤めていた会社でお世話になっていた知人に相談しに行った。
すると、「僕は君のスペックを知っているから君に仕事を与えてあげよう。絶対できるから」と言われ、アルバイトの身ながら5つの案件で4200万円の受注をもらうことができた。そして、ちょうどこの時期に、長い間連絡を取っていなかった昔の友人と再会する機会があり、自分の現状と将来やりたいことについて話すと「俺、手伝うわ!」と起業をサポートしてくれることになった。4200万円の案件を会社に持っていくと、口には出さないものの明らかに「え? 障害者雇用のアルバイトがなんで?」と困惑気味な雰囲気になったので、少しだけ気持ちが晴れた。
「障害者雇用のいびつな現実を目の当たりにした僕は、それを解決するために障害者のためのコンサル事業を立ち上げようと、サポートしてくれることになった友人にアドバイスをもらい、1年かけて、企業がペナルティーを避けるために数合わせで雇用するのではない、ちゃんと働く意味のある就職や、仕事も含めたQOLが向上する手助けをするための会社の設立に向けて準備を勧めました。しかも、得意だったITを使って。
会社は2015年に立ち上げ、現在社員数は6名。障害者雇用に関することと障害者のQOLを向上させること。この2つを軸に活動を続ける。増本さん自身、障害者就職エージェントに登録したがことごとく落とされてしまった。エージェントも障害者のことをまったくわかっていない現実にぶち当たっている。
増本さんの話を聞いて、障害者は社会から抜け落とされていることを実感した。余談だが、増本さんのIQは149もある。身体能力については限界を感じる場面もあるが、考える力、ひらめく力は高いのだ。今後、増本さんがさらに障害者が生きやすい世の中にしてくれることを期待している。