1956年のフルシチョフによる「スターリン批判」から50年が経過した2006年以降、当時ソ連政府が極秘裏に収集していた、スターリン体制下における粛清や人民に対する弾圧を記録した資料が、順次国内外の研究者へと公開された。
プーチン政権下においてスターリン体制の正当化を図るような向きも観測される今日、主に西側の研究者たちにより、それらの資料の分析研究が数多く発表されている。
それらの研究において、とりわけ我々の耳目を引くのは、これまで明らかになってこなかった、スターリン体制下における女性への性的虐待の実相である。