コレは心霊スポットから帰ってきた時の話
心霊スポットも怖かったが、正直オレはこっちの方が怖かった

その日はダムの近くのトンネルに濡れた女の霊が出ると噂されている心霊スポットに行ってきた
みんなでキャーキャー言いながらトンネルを歩いて通るが、そう都合よく出てくれるものではなかった
なんだ出ねーのかーとか言ってみるが内心ホッとしている
夜中のトンネルを通るだけでも怖かった
濡れた女が出たら漏らすんじゃないかと思い、肛門をキュッと締めていたくらいだ
結局何も起こらず帰ることになり、車を出してくれた友人がみんなを順番に家まで送り、最後オレと友人の二人だけになった
オレの家に向かっている途中、なんの前触れもなく友人は言った
もしかしたら着いてきてたりしてな
いつものしょうもない冗談を言って友人は笑っている
オレも笑おうとするがぎこちなくなってしまう
しばらくすると家に着き、車から降りて礼を言い、気をつけてなと右手を上げる
オレがそう言うと友人は、お前も気をつけてなと左手を上げてニヤつく
しょうもない冗談を言っているので笑っておいた
家族を起こさないよう音を立てずに家に入り、自分の部屋にたどり着く
ハァーっと大きな息を吐いてベッドに座る
夜中のトンネルという非現実的な場所から、いつも生活している現実的な場所に戻ってきて緊張の糸が切れた
天井の白いLEDの電気が部屋全体を明るく照らし、心なしかいつもより部屋が広くキレイに見える
ボーッとしながら今日行ったトンネルの事を考えていると友人の言葉を思い出した
もしかしたら着いてきてたりしてな
少し怖くなってきたが、そんなことは無いと自分に言い聞かせて部屋の中に目を向ける
視界の端にソイツを見つけた
一瞬にして血の気が引いた
何故こんな所に
自分の部屋は安全だと思い込んでいた
見ないようにしていたが時すでに遅し
ソイツをしっかり自分の視界に入れてしまっていたのだ
コッチを向いている
マズい
頭の中がグルグルする
ソイツをどうにかしないと
そう思ったがもうどうにもならない事に気づく
オレはもう諦めた
どうにでもなれ
そう思った途端肩の力が抜けた
そしてそのまま冷静な顔をして、その隠していたはずの極太ディルドを尻に入れた