メルヘンポエムスレ(*´ω`*)
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俺は人をあまり嫌いになったことがない。あんまり他人に興味がないから
俺が怒るのは怒らないと損するときや怒らないと自分の身が危ないときだけ クズ行為する奴らがいてもそいつらはどこか抜けて成長しただけ。俺に危害を加えるやつがいてもそれは俺が打ち勝てばいいだけ
そんな考えだった でも人生振り返ってみると一人だけ本当に嫌いな奴がいた
無関心とか関わると嫌とかそういうのじゃなくて、本当に本当に嫌いなやつ
もしかしたらそこまで嫌いになった奴は俺の人生にそいつ一人かもしれない そいつとは学生時代にかかわった
そいつはマジョリティなクズで虚栄心の塊みたいなやつで、でも弱さを隠しきれてない。そんなよくいる微笑ましいクズだった 本来俺はそういう奴らは嫌いにはならない
危害を加えてきたら困るから対処はするけど、そいつらの小物っぷりや現実逃避っぷりが微笑ましくもあるみたいな
でもそいつはそれだけのやつじゃかった そいつはとても小柄な男だった。普通の女の子より小さいかなりレアなレベルの身長
そいつは本来小柄が不利にならないスポーツしか結果を出せないはずだったのに、なぜか普通のスポーツをやっていた。そんで中学時代はその部会がそこそこ強い中学のレギュラーはってたららしい
まあそこそこ強いっても県大会行く程度の話らしいけどね。多分県全体から見たらとても強豪とは呼べない程度の話 虚栄心のかたまりのそいつは強いやつには媚びを売り、弱そうなやつにはマウントを取り、常に過去の栄光を語り、素人顧問を口で誘導してるようなやつだった
例えば見た目で運動能力高いやつやデカいやつをレギュラーにすると素人顧問先生は恥をかきますよ。自分は中学でな名のしれた選手でしたよ。みたいな事を常に素人顧問に吹き込むようなやつだった ちなそいつも俺も所属していた部活は万年地区大会の中のリーグ戦すら下位という弱小だった。それはわりと有名な話だったらしい
だから俺はそいつは強豪に行ったら惨めな思いをするから弱小を選んだと疑ってた。そもそもそいつは狂ったように過去の栄光を口にする割に実はどこもスポーツで推薦を受けられるようなレベルじゃなかったらしい
それもそのはず、身体能力がさほど高くないうえで女の子の平均身長より小さくかつ細身なんてタイプにスポーツで将来性を感じるスカウトはいないわな だからその点ではそいつは嫌いどころか微笑ましくていいねえ、ってくらいに思ってた
人間臭くていいねって そいつは人がいっぱいいるとこでは俺にも調子乗った態度取ってたけど、ふたりきりのときは面倒見がいいような素振りを見せて普通に接してきた
おそらくそれは反抗されたときにふたりきりのときは誰も助けてくれないから
そんでもし反抗されたら女の子より小さく軽いそいつは絶対に勝てないから
内心普通の男子学生に動物的な本能でビビってるのが透けて見えてて面白かった だからそいつが一年でレギュラー取って俺が補欠どころかベンチ入りさえできなくても嫉妬の感情とかはなかった
姑息な真似までしてこんな弱小部のレギュラー取ってさ、将来自分の過去を振り返ってみたとき本当の意味で惨めにならんのかね?みたいな感じで冷ややかに上から目線で眺めてた 事実そいつを認めてるのは素人顧問とヨイショに洗脳された先輩たちやその部活の経験者たちだけであり
事情を知らない他の部活の奴らとかは「なんであのチビあんなんでレギュラーなの?」ってちょっと噂になるくらい変な目で見てた
そして俺以外のその部活未経験で始めた他の奴らは一人残らず辞めた。理由はわけわんねえチビの集団にえらそうにされてしかもレギュラー入りのチャンスも貰えない
って感じ チビの集団ってのはさ、そいつを筆頭になぜか小柄なやつらしかレギュラーを取ってなかったから。でも経験者で一年でデカいやつは一人だけいた。俺の言ってる奴もそいには強くでれなかったみたいだって
そんでレギュラーの選抜は話し合いのみで先輩に気に入られてない層は試合形式の練習にすら参加させてもらえなかった。つまり経験者はどんどん経験つめて未経験者はどんどんふてくされてく、みたいな環境だった 繰り返すけどここまではそいつらを微笑ましく思ってた。人間臭くていいねって
今の俺からすると感謝すらしてる。自信がなくて有望そうなやつの足をとことん引っ張って虚栄心を保つやつらの空気がどんなのか、そいつらはどういう行動パターンか
人生の早い段階でそいつらは俺に教えてくれた でも一つだけ、俺がそいつが大嫌いな要素があったんだ
ここまで長々と話したけど、ここからが本題 そいつはお世辞にも容姿がいいと言えるやつじゃなかった。未成年にしてすでに頭薄かったし
でもそいつはトリックを使ったときに人を魅了してたんだ。それがマジでムカついてムカついてたまらなかった そいつをチビとバカにしてる素人もそいつがトリックを使ったときに目を奪われる
暇を持て余した他所の部の奴らもなんとなくこっちの部活を見てるときにそいつのトリックに口を開けて見とれてる
地区大会とかでは完全にこっち全体をなめてる強豪校の奴らすら体育館の二階の踊り場?みたいなとこでそいつのトリックに目を奪われる
どっかの父兄までそいつのトリックに目を奪われる 何より俺自身がそいつがトリックを使うたびに目を奪われていた それが才能なのか鍛錬による成果なのかはわからない。どっちにしろそいつはそのトリックもってようが地区大会すら突破できないその他大勢の一人にすぎない
いろいろ頭を巡っても俺はそいつのトリック関連だけに嫉妬した。そして俺は自分もそのトリックを練習する、とは微塵も考えなかった。多分俺がそのレベルに達することはないってわかってたからさ そして俺は部活をやめた
そしてそのときから俺は人を魅了するトリックという概念に取り憑かれていくことになる。そいつはその部活のなかでしかそれを出せないけど、俺は常にオリジナルトリックを起動できる人間になりたいと そこまでは俺はわりと普通の学生だったんじゃないかと自己評価
でもちょうどその時期俺は別件で精神が病んでしまった それからは精神病との戦いの人生だった。もうそいつも今まで少しはいた友達も家族すらも意識的に二の次
精神病の克服が俺の悲願になり、その他ことは本当にどうでもよくなっていく しばらく経って精神病もだいぶ進行したころたまたまそいつとすれ違った
そいつの第一声は「どうした?なんか悩みあるのか?」だった
誰もお前になんとかしてくれなんて頼んでないし、そもそもすれ違った人間にそういう質問するの失礼じゃないかと思って無視した ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています