書きかけの駄文を晒すから読んで毛
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車の後部座席に座っているあなたは所在無げに外の景色を眺めている。 流れゆく取り留めのない風景には何の刺激も覚えない、さりとて車内には無聊を慰める物などない。 半ば諦めたような格好で代わり映えのしない窓ガラスの向こうに視線を向けていた。 最初は鼻についたラベンダーらしき芳香剤の匂いにもいい加減に慣れ始める。 硬くざらついた座席は深く腰掛けて背を預ければ、体がぴったりと落ち着いて存外悪い物ではない。 そうして車体の振動に揺られていると、移ろう景色のスピードが少し落ち着いて、あなたの体に僅かばかりの負荷がかかる。 停車する気配を感じて歩道側へ目をやれば、この車はどうやら誰かを乗せるらしい。 左側に陣取っていたあなたは仕方なしに右側へと体を寄せて、再び窓の外を意味も無く見つめ始めた。 だから、彼あるいは彼女の風貌について、何一つ分からない。 ただ、その人物が扉を開き、閉めて、座り、居住まいを正す動作所作を、音と振動が伝える。 ギアを入れる音、ウィンカーの機械的なリズム、エンジンが駆動音と共に車体を僅かに震わせる。 そうして、しばらく経った。
運転手と同乗者は一言も言葉を交わさない。 何一つ変化のない車内は時間が止まっているようだった。 同じような景色が視界に飛び込んでは後ろへと消えてゆく。 独特の反響音、一定間隔で車内を照らす照明の光。
車はトンネルに入ったようだ。 使い古された音楽の合間に、毒にも薬にもならない小話が挟まる。 ラジオの音に釣られて前を向いたあなたには、フロントガラス越しにトンネルの様子が見えた。 二つの車線に他の車の影はなく、淡い橙の照明に包まれてこの空間はどこまでも真っ直ぐに続く。 ニュースキャスターが抑揚のない声で読み上げる内容は、音の乱れとトンネルの反響が要所要所を掻き消してまるで頭に入ってこない。 どうやら電波の届かない所に来たらしく、最早ラジオはただの雑音だ。 少しずつトンネルの照明が暗くなっているような気がした。 俺個人の好みだとは思うけど
小説読むときって説明文じゃなくて表現で情景が浮かぶのが好きだから
そういうの意識してもいいんじゃないっていううんちぶちぶち >>38
ぼんやりと座っているあなたは見たままを感じるしその描写もまた素っ気ないもので統一しようと試みたがそう言われちゃダメね ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています