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(’-’*川オワライッテアヤマチニミチビクアクマノワナニモナリマスヨネ🍹ショウセツカイテミタオ🐰マタ♪
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0001jc!ダオ
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2021/12/13(月) 23:37:30.621ID:pdoQuRSj0
気高い勇者が暗闇に向き合いながら、やや敵味方の攻撃の収まった瞬間にどうしてもたまらず仲間にそこで呼びかけると悩ましい女の声がそこかしこで無事を伝えて返しました。
「ありがとうございます、勇者さま。大丈夫です。わたしたちなぞのことは…」
「後方に退いた方がいいよ。ここはボクが前に出るから」
勇者はいつものように好きな女の子の幻影を胸に抱くと心奪われ力満たされ、途端に勇者は敵を圧倒して案の定あらかた始末してしまいました。勇者は顔を見上げると誰ともなくにっこりとしました。そうしてようやく味方が激しい攻撃の手を緩めると、何となく愉快になった周りの雰囲気に勇者は気付きました。何とも長い付き合いのような仲間のいたずらっ子のような酔っ払いの一行ももう最後には笑いながら誰からともなくありのままの姿となって軽はずみなじゃれあいのような、慰め合いのような、そこからほとんど果てない宴となっていました。愚かしい事です。目の前には頭を振って誰ひとりの存在も目も忘れてしまったような顔つきでひとりの女盗賊が活き活きと誘う目で全てをさらけ出して踊ります。あたりの柳の木は一切大きく垂れ下がり、柳と柳の間からは灰色の空まで石畳の不思議な道がほのかに魔光を放ってそのまま一筋のびているような美しい、でもどこか悲しげな人けのない小屋一つない場所です。チラリホラリ、小さなドラゴンが舌を出したような不思議な花が咲くまだ肌寒い、ほとんど冬の日の夕暮れでした。
勇者は少し圧倒した気持ちで、奇妙にひっそり静まった後の激しい敵の抵抗をしのいでのこの騒ぎに、勇者はまだ頭脳だけ戦いに酔っているのを自覚すると同時に、ゆっくりやっと少しずつ知らず知らずどうやらようやく落ち着きを感じられました。あらゆる狂ったような心得たような無上の陶酔。多くの笑い声が上がりそれがさらにそれはあふれるよう。勇者は自分をもとめるらしき幾人かの女の子に少し迷惑なような気持がしつつ真面目に挨拶をしているとむしろ上機嫌になっていきました。でもその両手はもちろん、全身には浴びた敵の返り血に気づき驚きの声を発して笑うと、ついに勇者はそこから逃げるようにしてそそくさとひとり離れ川へと急ぎました。遠い天いく現実のドラゴンを高く静かに見送りながら、あらかたその血を洗い流してしまいます。遠く竜の羽ばたきにはあわれにも見ればダメージが痛々しく、悠久の命からがらという様相。勇者は少し胸を痛めました。
世にも平和な瞬間。
心の中の嵐のけたたましい振る舞いは既に音をたてて破られて、斧持つ鬼、鉾持てる夜叉、剣持つ穢れ知らぬ武人もなんとなく、みながみなに小さくしのがれ心は常に固められ、今はその強い覚悟をもって命をかけたこの無慈悲な旅程の先にも必ずや彼らのすべての光明がめでたく疑いなく信じられ、呪文も念仏も良心もいらないままいつの間にやら仲間たちはいかにも自然今すべてみなぎる力と知恵をもって生まれたままの姿となってたがいにやさしく時に涙しほほ笑み合い、汚らしくも温かく讃えあっているようでした。
天下は我らのものなるぞ、という勇気。
恐ろしい日の光りをも嘲笑うドラゴンすらもなお暮れかけた紫の空にただそのまま行きちがえども然し自然ながらその二頭のそれぞれに憤怒の牙と痛々しい、しゃにむの悲しい眷属とともどうしようもない黒雲の影をのみ目指すような。美しい不思議な色彩の空は盾も貫く戦場では頼もしい仲間そのすべてみな慶び祝うような愉快爽快な気分。にわかに激しく胸に高まる大和魂、悪意猛り狂うこの世にさらに極まるよう。
異世界_____
「ボクはついに異世界に勇者の名をあげるよ。君は今どこで何をしているの? どうかボクのことを少しは覚えていておいて…」
勇者はようやく水浴びを終えてしまうと少々暗い階段を上って陶酔気味に、でも自信に満ちた表情で往来の女性たちに快くまた挨拶しました。勇者は普通の態度で、胸に思う女性を描いてしまうと恐ろしいような弱り切るような温かく命が再生するような複雑な心に包まれると、それでもまたボロボロになったような古臭い平静を装って明日にも知れぬ互いの命を思うように親愛の情を交わしました。数人の女の子たちが不思議と上機嫌に勇者を囲み、ついに悦びに満ちたように上手とは言えない歌を歌いだしました。その妙に熱っぽい様子に驚いているとそれが周りにも伝染して、皆が皆笑顔となって歌いだしました。勇者はそのとき、どうしたわけかただ彼女らのつんと澄ました露な肌をみて鍛え上げられた身体にオイルのような生気がいつの間にかみなぎるのを感じました。もしかしたらこれが悪魔の力なのではないのかと思いながら。
0002以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
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2021/12/13(月) 23:38:28.554ID:ZgZcDb8La
いっぺんに出すなよ
0003jc!ダオ
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2021/12/13(月) 23:38:34.872ID:pdoQuRSj0
何もかも悟りきった悲し気な青ざめた笑顔とともに、もうすぐに疲れてその笑い声からひとり離れてしまいました。その時、勇者の心にはなぜか改めて妙な悲しさと妙な悲しさがあおりたてられていました。様々な幼馴染の女の子の天使のような愛しい姿が波のように心に押し寄せました。どこか修行僧のような仏のような静かな心にまるで眠りかけた小さな子の目を覚ますよう。
「少しばかり、ボクのために時間をください。これはおろかなお願いですが…」
神さまにお祈りするような心にとげのようなものがまた感じられ、自然に勇者は一人声を落としました。
0004jc!ダオ
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2021/12/13(月) 23:39:58.868ID:pdoQuRSj0
勇者は慎重に振り向いてだれともなく、力勝るはずの自分が他の無茶苦茶なくだらない者達にまたどう思われるか、たまるものか、そう考えそうになって自分の心の変化に驚きました。そうしてその場の岩にどっかり腰を下ろしました。まだ身体の水が乾ききらず、点々と後に雫が跡を残しています。今更ながらそれに気づくと、非常に間の悪い気がして慣れたようなぼんやりとした後悔に染まっていく心をそのままにしてしまいました。その時流石に寒さがしてか、全身をさすっていると自分の股間に残った汚れに面食らってしまい落ち着きまた失ってしまうのでした。そして不意に人目を盗んで少し慰めました。そして残像のような女性の姿に顔をいろいろと考えめぐらせて取り替えてみたりして、その自分の想像力の動きにどぎまぎとしてさらに自分自身をしばらく慰めてしまうのでした。すると再び少しこの命がけの旅の前にかしこまる思いがします。本当の痛み、そして限界を再三超える肉体のもたらす奇跡、神妙さ、命そのものが高める魂の行くへ、その神掛かる兆候にひとり気構えるのでした。
『勇者様、あれを御覧ください。みなあなた様を讃えておるのですぞ!』
「え?」
すれ違う真面目くさった中年の仲間がうれしげに話しかけてきました。そして間もなくそれから遠くに見える一人の退廃的な若い少女が、そんな勇者にまっすぐ静かに近づいてくるのでした。愚かにも、この世のあらゆるものが堕落してしまうことをこの上なく上手に証明するかのような眉毛の長い中性的で小悪魔的姿の娘でした。
勇者は身動きもせず、魅入られたようにその子を一時幼馴染の子と勘違いてこわばった表情をした自分に恥ずかしさを感じ、落ちる気を取り戻しました。フッと噴き出すような笑いをしました。はじめてするような笑いでした。
「え?」
娘は恥ずかしそうに尋ねました。
「い、いや…」
勇者は彼自身のお人よしに身震いしないでもないほどでした。何故かその間違いに対する羞恥心をさとられまいとするような小さな愚かな罪悪感が自分の打ち破りがたい貞操観念というらしきものに対して悪魔のように乱暴に攻撃するような不思議な心の働きに違和感を感じました。まるで村を襲う魔物のよう。勇者はなんとか気を取り直そうとします。何かしらしきりに考えようとはしましたが彼女の成熟したような唇を前に、やがて深く弱弱しい妙な溜息を一つ漏らすと素直に恥ずかしそうにはにかんで少女にほほえみました。
少女はもうはきわめて興奮しているようすで、その目は勇者を見ているような見ていないような、とんでもない遠い未来を見ているような。そして少女は男性的な性格をしているのかキビキビとした態度が時々思いもよらないような極端な動きの踊りを大胆に美しく舞うのでした。勇者は押さえつけてきた肉欲のようなものを少しは解放してやりたいような、神さまに物申したい気持ちになってしまってゆっくりとたしかに自分の頭がぼんやりとしてくるのを感じました。
少女はそのまま軽やかな肢体を風に舞わせて、透き通るような肌の思案気味で華奢な細身の身体に揺れる乳房をさらして恥ずかしさのためか頬を赤らめました。その拒むものも欠くところひとつない甘美な美しい官能色が、不覚も間違いもない鍛え抜かれた身体の勇者の目に心底震える新しい生きがいに化け変わりその体を稲妻のようにその芯から貫いてしまいます。
そうして彼女を眺めれば眺めるほど自分の欲望をはるかに超越してしまった変に明るい、朗らかで開放的な少女の所作に驚いているような恐れているような間に自然自然と自制心を吹き飛ばされてしまいます。ついに防具のその重みにふと腹が立つような突然の興奮に我を忘れると同時に、この上はのぼりつめた舞台の上で震えるような恥の息はきっと睨んで抑え込むも一つしぐさの揺らぎのうちに、たちまちこれまた生まれたばかりの姿でその肉体に棲む大気の縺れを祓おうという素敵にばかばかしい気配となったのでした。ぞっとするほどピンクに光るようなあたたかい蒸気が頬から天を望むのに一層欲情が煽り立てられて最後の理性すらを蹴散らしました。
0005jc!ダオ
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2021/12/13(月) 23:40:46.941ID:pdoQuRSj0
『乾杯!』
その時どこかで上がるめでたい声。勇者は突き刺すような正気をやっと取り戻すと、案の定妙に臆病な心の常として、結果を予想していろいろと思いまどいいうまでもなくもう何をすべきか全くわからなくなるのでした。今は心が胸を焦がすのを自覚するしかありません。そうしてその恋がだんだんと膨張してくると、今更のようについに破裂するしかありません。これからどうなるのか、勇者にはさっぱり予想ができなくなってしまいました。
この子にボクは恋をしてしまったんじゃないだろうか?
それがまためでたく顔が真っ赤になるようなうれしいような悲しいような何の理由もなく喪失感を伴う恥ずかしい気持ちがで、またどこかすえ恐ろしいく心が重く、孤独でつめたい胸の苦しみをしばらく感じました。
急に大胆に再びいつかからの恋を告白してしまおうとあえぐように何かささやく少女を目の前に見つめてしまうとついには勇者は思考が一切役に立たなくなるのでした。どうにもこうにも仕方なくなっていると、その時なにやら不思議な、とてつもなく大きな音ともに本当においしそうな肉の焼けるような匂いがするのでした。少女はかわいらしい女の仕草でその空気をおなかいっぱいに一度吸いこんでしまってためらいがちに微笑むと、気味の悪いほど美しいその若い青白い肉体の赴くままにちょっと伏し目がちに、やがてぼうっとした気になってしきりに強く何か興奮の渦中に夜通しその目が暗く光るような、頬がげっそりとして女らしい乳房だけが成熟を繰り返していくような、木陰で震える小動物のようないつにない衝動が身体中に広がるのに任せてしまいました。あたりは晴れやかな、でも一種異様な緊張感に包まれています。
0006jc!ダオ
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2021/12/13(月) 23:41:49.633ID:pdoQuRSj0
微笑む潤んだ舌をみせる少女の軽やかなその動きの耐えがたいような煽り立てられる瞬間瞬間に、意識に華やぐような不思議なもやもやした霧。でもその時錯覚か偶然か、少女の眼の奥にわずかに魔物のもつような、洞穴にほの光る妖しい鉱物のような特殊な光が宿ってみえて勇者はついに何度も何度もそれをことごとく確かめようとせざるを得ず、それはとてもむつかしかったのですが、調べているうちにやはりどことなくみるみるとその牙が伸びてくるのを見て確かめてしまうとたちまちそこから飛びのかざるを得ませんでした。同時にとてつもない恥ずかしい思いと激しい鼓動とともに、静かに勇者はたちまち赤黒く変化していく少女を引き離して他でもないどうすることもできない狂気の事態をようやく理解しました。
「何が起きてしまったんだ?!」
周りを見回します。勇者は驚きました。すでに攻撃部隊の男たちにはその壊滅的宴が蔓延し、補給部隊の女たちも元気にその快楽の匂いにあっけなくからめとられつつあります。
輪郭の鋭く変わりつつある目の前の少女。しばしば脅威を感じるその白い牙は、その灰色の肌にぼろぼろとほとんど何かがはがれていく身体から緊張した表情で何かを必死にもっと生きたいもっと生きたいというような訴えをして諦めきれずこちらを眺めている魂を映すようでした。勇者は硬直して少女から離れると尚もすがりつく少女の無心な呼吸と毛髪の抜け始めてしまった哀れな姿に勇者は息を殺し、どうしてもとうとうその頭を一息に打ち砕いてしまいました。勇者の手は震えました。いつまでもいつまでも立ち尽くしていました。これがきっと終わりなのだと思うと不思議でたまりませんでした。その間他のことをようやく考えめぐらせながらも、もはや心に薄っすら覚悟をきめて、なぜか恥ずかしさとともに記憶によみがえるいとしい幼馴染の言葉。それがおのれのことながら底知れない湧き上がる不思議な動揺と同時に、乱暴に魂を底から見られてしまったような総毛立つ激しい恥ずかしさを感じました。
「もっともっと、真剣に上を目指さなきゃ…」
0007jc!ダオ
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2021/12/13(月) 23:42:42.518ID:pdoQuRSj0
悲劇的なため息をすると、勇者は急に生まれて初めてのような邪悪な感じの涙ぐましい感情が消しても消してもまだ意地悪につぎつぎあらわれては消え、振り返ると意外にもしみじみ死の恐怖こそをその意思の闇の中から発見してしまうのでした。
「ボクはいつでも、そのままの君が夢のように見えていた…」
純良な笑顔できれいに陽の光に泳がせた髪の毛とともに背を向けて行ってしまう女の子の輝く姿を思うと勇者は、今は石のように動かなくなった生に対してムラムラとなぜか執着心が湧いてきました。そして悲し気な孤独な眼をを思い再び邪悪な心が立ち上がって苦しくなりました。首の付け根まで赤くなる底知れない白白とした、ひとつの罪悪感でした。勇者は人知れず震えました。
「ボクはいつでも君を追いかけていた。君にふさわしくなりたくって…。君は今どこで誰といる? その悪魔の支配するめちゃくちゃな世界の中で。ボクはもう、君のもとに帰りたいよ…」
勇者は動悸が止まりませんでした。
残忍な心が胸に湧き上がっていました。すべての事が首尾良く罠に人を導く誘惑の種に見えて今更ながらむしゃくしゃとしました。勇者はそれからどんな事をしたかよく分からなくなりました。それは一つの不幸な恋が叢雲から月が現れ闇夜を払うように勇者の心をすっかりと現実へと放した瞬間でした。
「はっはっはっはっは…」
無慈悲な心とともにわけのわからない何とも言えない彼女から離れた後の不思議な転落を思っていました。そこで大事なものをはっきり壊して落として無くさぬよう神さまに隔離されたような自分のこれまでの人生に気づいて、もう一度冷静に自分を見つめなおしました。恥ずかしくなってきました。勇者は暗い気持ちになると、麻酔がかかったようにいとしい彼女の記憶がだんだんと無くなっていくのに気付きました。そうした喪失が改めて心にありありとよみがえって、勇者はそれから今更のようにまたグルグルと何か嵐のようなものが魂をひしひししたたか揺さぶるのですが半分頭が壊れているのか、効果的にはご利益ありません。勇者は再び立ち上がりました。静かに、命を川面のそこから蘇らせる天使のように。
0008jc!ダオ
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2021/12/13(月) 23:43:30.587ID:pdoQuRSj0
『ああ…!』
いつのまにか体を合せ始めた男女が遠くに見えました。ともに言葉なく、さらりとすぐに下半身の隙間のあらぬ気の渦に魂すべてを委ね、傍目にも鼓動が一気に高まるようです。その周りにもいつものように誠意のない会話と悪い不正直な残念な空気のままいつのまにやら収奪をはじめある者は巻き込まれ、笑い合い、また取り立てて言えば傍目にも必然下半身のうずきだけは愛想も未練もなく強いわけのわからないありがたい幸福感をむなしく脳と全身に漲らせます。そしてそのうたかたの幸福のような時間を過ぎれば必ず絶望の悲鳴と絶叫があがるはずでした。また強姦のような様相のはるかの二人に勇者は自分と彼女を重ねてしまうと少しあさましく、酷くまた新鮮で心地よい気持ちに誘惑されるのでした。でもそれはすぐに勇者はたちまち怒り声を上げました。二人の魔物の兆候を確かめるや今やその頭を一撃のうちにむごたらしく切り落してしまいます。勇者は、その時心に残ったつややかな小さな新しい思いが残るのをはっきりと感じました。
勇者は少しの溜息の後、そこでなぜか再び雄叫びを上げました。そうして勇者はうつむいて目を閉じると少し瞑想をしました。苦々しくも何か、記憶のどこか十分に突き止めた気がせず、あと千回はこれを繰り返そうというこの悪の闇から忌々し気に現実のほうへと立ち戻りました。遠巻きの男や女たちの自分を見る眼差しに自然気にかかる新鮮で刺激的な暗示、熱くめでたくその心を震わせますが勇者はそれに風変わりな怒り声を上げました。狂ったような呪いのような全身の神経の高ぶり、それからあんまり夢中になって走っているうちにいつの間にやら底知れない喪失感がむずむずと体を支配してこの世界から一刻も早く抜け出したくなります。
「どうすればいいのか考えた。それすらも飽きるくらいに。もう、破壊しつくしてやる。破壊しつくすか、ボクが死ぬかだ!」
身震いするような甘い解放感が勇者を満たしました。そこに乳房をさらして逃げ惑う女。勇者はそれに憎むような、乾くような、血がにじむような目をしてその魔物化の兆候を見出そうと懸命になりました。もはやだれもが逃走していました。弱り切っているまともな人間のメンバーも一人、二人と魔物と化したかつての仲間たちの毒牙にかかって死んでしまいます。勇者は奇妙な冷たい笑みをその頬に浮かべながら一人ぼんやり何かこの喧騒からただただ何かを取り戻そうというよくわからない欲望にとらわれ、そんなうちにずっと暴れまわって容赦なく、つぎつぎ仲間たちの変わり果てた姿を血しぶきをあげて残忍に切り殺し続けました。その夜、勇者の荒々しい肉体は震えた溜息をひとつ吐くと限界を超えて、疲れ切っていつのまにかついに闘い続けることを放棄してしまいました。なんともいえない生々しい不安にとらわれると勇者はぴったり、そこで息を殺してすっと飛び出し藪のなかにただひとり、たまらない残忍な解放感と現実への郷愁に浸りました。そこに今まで一度も聞いたことのなかったようなみずみずしい青年の澄んだ声が聞こえてきました。悲鳴と怒声、魔物の雄たけびがあたりにはあふれていました。
「すみません、すみません。あなたは126ゴロゴロドキドキさんですか?」
勇者はその時、透き通ったような笑い声を吹き出してしまいました。
「はっはっはっはっは…」
投げ出すようにそこにそのまま座り込んでしまうと、自分の記憶にある一人のにっこりとしたそれでいて悲し気な幼い女の子のわずかな記憶は本当に自分のものであったであろうか、などと考えてしまいました。あらゆる幻惑から不思議なことに、好もしいこの少し傷を負った青年は勇者の心の靄を晴らしてくれたのでした。唖然として再び、その姿と相対します。怪しくも美しいような静かな幸福を感じながら。
「悪人め、下種め、馬鹿ゲームメーカーめ、まぬけなこんなゲーム早く発禁されてしまえ!」
「そうだね」
彼らはそれからなぜか笑いながら思いのたけを互いに打ち明け、握手と抱擁を繰り返すうちにいつの間にか少し涙を流しました。不意に月の光をうつす泥水に目を移すと、そこに口紅のついた煙草の吸殻が一つ。まるでピカピカと光を放つ何か神さまの目覚ましのよう。
人はなぜ、いつのまにやら恋につられて明け暮れて、やつれて疲れ泥だらけになり取戻し、死ぬまで狂って走り続けるのでしょう?
0009jc!ダオ
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2021/12/13(月) 23:45:02.539ID:pdoQuRSj0
勇者と白魔道師はぜえぜえしながらそのあと誰にも知られぬまま柳林を抜けて、再びの藪を勇猛につっきって、こんどはぬかるんだ道を何分か走って歩いて突き当ってしまいました。もう二人でいつ死んでもいいという幸福な開放感でした。この異世界に何の未練も穢れもないという感じ。するとそこに一台の新しい小さな自動車が不思議と木に衝突した形で事故をしてしまったのかひっそりなぜか止まっています。中には男女が二人。
何だろうか?
ボクにもさっぱり分からないよ。
勇者たちは立ち止まりました。その懐かしいしかし相容れないはずの光景が愚かしくも戦慄の中にその豊かな経験値のなかにだいたいの一閃の攻略をひらめかせそのうちゆっくり接近を試みました。間違いなく、二人は少しどぎまぎしていますが頑張ります。そしてなにやらその車の窓が少しあいていて、次第に中の男女の肉声と金属的な猛烈に朗らかなラジオの声が勝手に耳に入ってきます。そのラジオの声に、勇者たちは同時にごくりと唾を飲み込むと、ようやく今完全に正気を取り戻し二人同じく頬をピクピクさせました。
「友達なんてどうでもいいのさ。ただ君だけがボクを束縛してほしいんだ。この世の悪魔の誘惑を遠ざけていてくれ。世界に唯一、ぼくを支えていてくれ、どんな時も。ああ、そして君はなんて美しい眼をしているんだ…」
「ああ、でもみんながそういうけどね」
「ん、なバカな…」
「浮気だっていくらでもできるのよ、わたし?」
「…ああ、いっそぼくを殺してからそうすればいい、いいかい?」
しばらく見つめあう二人。
「いいよ」
どうしたことか、やがていじわるく見つめあって二人は楽しく笑い合いました。そこにラジオが不思議に口をさしはさみます。 
『決心した。ホント、一人ずつ殺す。それはどれだけ人助けになるかしれない』
笑い声が起きました。
「私、キスしたいよ…」
「おまえ無茶苦茶だよ。子供が見てる、あ見てるぞ、警察見てる、お見てる、ん?! んおっ!? コスプレかw」
「もう、よそ見なんてしないで」
「…!」

おわり
0010jc!ダオ
垢版 |
2021/12/13(月) 23:50:00.927ID:pdoQuRSj0
>>2
(’-’*川ウン🐰アセッテナカナカカキコメナクナッタオ👊オヤスミナサイ♪
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