今日こそ首を吊ろう…幾ら仕事の出来ない俺でも、途中で帰らされるなんて初めてだ…もういい…俺なんかが良く頑張った…少し良い晩飯を食って、一杯飲んだら、ウチで首を吊ろう
俺は午後の繁華街を歩いていた。ファミレスのガラスに映った自分を見る。
ダサい……スーツを着れば誰でも男前になるんじゃないのか?
などと考えていると
「ナァーオ」
猫の声がした。ファミレスの隣にある店に視線をやる。その前に白い猫と黒い猫が座って居た。
「ナァーオ」白い猫が店に入っていく。黒い猫も「ムゥ」などと言いながら後を追った。なんとなく俺もそれに続いた。