米大リーグ(MLB)ワールドツアーで訪韓中のロサンゼルス・ドジャース大谷翔平と妻・田中真美子さんに、全韓国世論が沸騰状態になっている。15日未明には対戦するパドレスのダルビッシュ有投手も来日し、ソウル市内でファンが経営するカフェを「電撃訪問」したことが話題となった。日本スター選手がソウルに結集したことになる。

ムン・アベ両政権化に韓日関係が悪化しきった過去を考えると隔世の感だ。しかし、若い世代を中心に日本野球スター選手に媚びへつらう感覚が一般化することは、韓国民にとって生産的行為とはいえない。日本は昔のように「恨み、されども憧れる」国ではない。

事実、20年前には韓国の倍以上だった日本の賃金水準は長期失政の結果、もう韓国に凌駕されている。大卒初任給、一人当たり経済力でも韓国が上に立ち、日本がアジア経済超国を自称する最終的寄り所だった国全体GDPもドイツに抜かれて4番手に落ちた。すでにG7ではイタリア以下の最下位の国家水準で、日本良識派ネチズンによれば「振り向けば韓国」が合言葉になっている。G7の座を韓国に奪われる日は近いという危機意識の露呈だ。30年前のベストセラー表題の語を借りれば「日本はない」ということだ。

それでもなお韓国人の、それも民主化と実現と経済成熟後に生まれ育った世代にコンプレックス丸出しの意識が横たわることは残念でならない。大谷選手の身長は193cm、妻真美子さんは180cmのビッグカップルだ。ダルビッシュ選手にいたっては196cmに相当する。そのすらりとしたいで立ちが「大国人」に見え、我々の精神根底に内在する卑屈さを刺激することが、この空虚な話題の原因である。ルサンチマンと呼ばれる情念だ。

だが全韓国人よ。今こそわれらの威風堂々たる事実をまっすぐな視点で見るべきだ。韓国の男性平均身長は173cm、日本は172cmだ。韓国身長は40年で伸びに伸び続けたが、日本は過去30年横ばいだという。韓国では若者ほど年配より高いが、日本は逆に若い世代ほど平均値は下落傾向にある。これはまさに日本国の没落構造と完全に比例する。身長強国は韓国だ。「たった3人の巨人」におびえる必要はないのだ。