「米著名投資家ウオーレン・バフェット氏が参考にしていると言われることから『バフェット指数』と呼ばれる、名目GDP(国内総生産)と市場全体の時価総額を比べた指標でみても、現在は約2倍の『超割高』と言っていい水準です。ノーベル経済学賞を受賞した米経済学者ロバート・シラー氏の唱える『シラーPER(CAPEレシオ)』という指標は、米国の株価(S&P500種株価指数)で30倍を超えました。すでに大恐慌時を超え、ITバブル期以来の水準です。つまり、株価はいつ半分になっても不思議ではない状況です」
 新NISAでは全世界型や米国の株価指数に連動する投資信託が人気だ。株価の上昇とともに、こうした海外資産で運用する金融商品の価格も上がっている。

 日本の投資家は、株価の値上がりに加え、外国為替市場で進んでいる円安・ドル高の恩恵も受けている。日本円に対してドルの価値が上がった分だけ、こういったドル建ての海外資産の価値がかさ上げされるためだ。

 今起きているバブルが弾け、市場の混乱が生じた結果、外国為替市場でも仮に円安・ドル高が円高・ドル安に反転するようなことがあれば、こうした商品に投資している国内投資家が受ける打撃はより大きくなる。

「外国為替市場の影響が広がれば、資産価値が10分の1、最悪の場合は20分の1になる可能性だってあります。まさに資産が『溶ける』と呼んでいいような事態も想定しておくべきでしょう」