世の中には頼んでもいないのにしつこく相手に絡む人間がいます。
あんたに何の関係があるんだ、というようなことで勝手に因縁を付け、それを長期間に渡ってねちねちと責め続ける人間がいます。

会ったこともない芸能人の悪口を言い続ける某匿名掲示板の住人、息子に「何だその挨拶の仕方は」と言いがかりを付ける父親、〇〇大学を受けると言ったらいきなり自分に対して批判的になる同級生など色々いますが、心理的に健康な人には、なぜこのような態度を取られるのか理解が出来ません。

少なくとも、心理的背景を見抜くことは出来ても、そのような行動に共感することは出来ないでしょう。
感情を共有することが出来ないのだから、当たり前です。

異常な行動を見て取る場合、結果として表れるからには必ず原因があるので、結果だけを症状として見るのではなく、どうしてそうなったのかを考えてみる必要があります。

足から血を流して泣いている子どもがいます。
どうしてそうなったのかと言うと、転んで膝をすりむいたからです。

しつこく相手に絡む人間がいます。
どうしてそうなったのかと言うと、幼児期に必要なだけの愛情を親から貰えず、長じてのち、抑圧したその感情が形を変えて出て来てしまったからです。
そうなると人は他人に対して粘着質になります。

ネットで人のことを悪くばかり言う人間が良い例です。
こういう人間が本当にしたいのは攻撃ではなく、人にかまってもらうことです。

つまり承認欲求が強すぎるあまり、それが攻撃に転化されてしまっているのです。
絡んでいるのは、安心できる、もしくは心の底から欲する対象なのでしょう。

心理的に健康な人なら、その人と友好関係を結ぼうとしますが、心の葛藤の強い人間は、それを素直に言えず何かしらの代理行動で愛着を表します。
それは何かと言うと、悪口や暴力などに見られる普通の人だったら顔をしかめるようなものです。

生きることに怯えているというのもありますが、それらの行動の隠された動機は甘えです。
ちょうど幼児が面白くないことがあって積み木を壁にぶつけているのを想像すればいいと思います。

まともな人間だったら大の大人がそんなことと思うかもしれません。
ですが、世の中には肉体年齢は30、40でも、精神年齢はそれ以下という人は数多くいるのです。

心理的に幼稚な人間が、
「自分は怒っているのだぞ」
「愛してほしいんだぞ」
という心の声を行動で表した時に相手へのしつこい絡みになると思うといいでしょう。

いきなり切れ出すという人は、それだけどうしようもない幼児だということです。