〜前回のあらすじ〜
ようやく冬毛が抜けて夏毛に生え変わったるるさんは、今からでも夏を取り戻そうと今日もクルリに無理を言って山に連れてきてもらったのだった。

クルリ「るるさんは何をお願いしたんですか?」

るるさん「クルリの糖尿病が悪化して出来る限り苦しみますように、って」

クルリ「どうして毎度毎度そんなひどいことを……。というか私は検査の数値が悪いだけで糖尿病ではないですよ」

るるさん「クルリは何をお願いしたの」

クルリ「ふふ、内緒です」

るるさん「どうせ髪の毛が生えますようにとか、一生働かなくても良いお金が手に入りますようにとか、下衆なことお願いしたんだろうからもったいぶらないで」

クルリ「? クルリの頭には髪の毛があるのにどうしてそんなことをお願いしなければならないんですか?」

るるさん「あっ」

クルリ「そもそもの話として、仮にそう願っていたことを私が隠そうとしていたのだったら、それはコンプレックスが由来なのであり、そこを無神経に突こうとするのって性格が悪いというか、
   社会規範に則って考えればまず言わない方が無難な事柄ですよね。私の頭にはこうして髪の毛が立派に生えているからまだ良かったものの、これが生えておらず、
   またそれがコンプレックスであったのであれば、今頃るるさんはどのような目にあっても文句が言えない、それこそその辺に、ああ丁度良い大きさの石がありましたね、
   その辺にあるこのような石で突然頭をカチ割られてしまったりだとか、もしくは私が今偶然、本当に偶然というか、奇跡と呼ぶべきか、手にしていた果物ナイフでおなかを切り開かれ、
   腸をむき出しにして死んでいてもおかしくない状況であったと言えます。
   他人の触れられたくないことに触れるということはそれだけのことだと認識してください。真田幸村もそこに触れたら後はもう生命のやり取りしか残らんのだって言ってましたし」

るるさん「ごめん」

クルリ「分かれば良いですけど次はないので気を付けてくださいね」

るるさん「ほんとにごめん」

全くるるさんはいつもしょうがないですね。きちんとした道徳心というものを身に付けるべきです。
さて次回、花のクルリ「今落ち武者って言ったのは誰ですか?いいからさっさと前に出ろ」に続く。来週もまた見てくださいね。