────その痛みは突然襲ってきた

男「ギィイイイアアアアアアア!!!!!」

男は断末魔のような叫び声をあげながら股間を押さえつけ悶絶し始めた
刹那の中、動くと痛みが増す事に気付いた男は表情だけは大忙しで身体は可能な限り硬直している

男「ああああああ無いいいいいいいいいい痛いいいいいいいい!!!!!!!」

「無い」…
そう、男は痛みで股間を抑えた瞬間にその違和感に気付いた
片方の金玉が無いのである

周り「い、今救急車呼びますね!」

意識を失う事さえ許さない痛みの中で男は周りにいた人に助けられた
ここは何を隠そうショッピングモールであった

男の突然の豹変ぶりに周囲は静寂に包まれていたがようやく助け舟が動き出したのである

男「無いんですぅ!無いんですぅ!!!」

ようやく到着した救急隊に必死に伝える男
我を失う痛みの中で欠片ほど残っていた羞恥心が「金玉」という単語を
自分を囲う群衆の前で叫ぶ事を阻止させたのは言うまでもない