40~50代の氷河期世代…困窮の先にある絶望未来
――給料日まで10日で残金200円

そうつぶやいたのは、47歳の非正規男性。学卒後、職をいくつか転々とし、いまは工場で組立工として勤務。月収は23万円、手取りは月18万円程度だといいます。給料日前は生活が苦しくなり、食事を控えることもしばしば。こんなときにありがたいのが、実家から送られてくる荷物。

――米、ゲット。ほんと、米を食べられるだけで幸せ

東京で暮らす息子を心配して定期的に送られてくる荷物は、かれこれ四半世紀になるとか。送られてくるのは、カップラーメンやレトルト食品、乾物類。たまに地元で採れる果物が入っているときもあるとか。いまは実家からの援助もあるといいますが、すでに両親は80歳近くになり、いつまでも頼ることはできないと不安になるこの頃。以前は実家に戻る選択肢もありましたが、40代・未婚での田舎暮らしは何かと面倒と、一生戻らない決意をしているとか。

男性はいわゆる氷河期世代。学卒時に正社員から漏れ、非正規社員として社会に出るしかなかった人たちも多かった世代です。雇用環境が改善したタイミングで正社員になれた人はよかったですが、なかには時すでに遅しと、不本意ながら非正規社員を続けている人も多くいます。また経済的な理由から結婚や出産を諦めたというケースも多いのが、この世代の特徴です。

そして今後問題になるのが彼らの老後。仮に20歳から非正規社員を続け、平均給与を手にしてきたとしたら、65歳から支給される年金額は単純計算、国民年金と合わせて月12万円程度。生活保護水準を下回る年金額となります。ただこれは非正規社員でも厚生年金に加入できていたらの場合。昨今、厚生年金の適用が拡大されましたが、それまでは厚生年金は未加入ということも十分考えられます。また貯蓄があればわずかな年金でも問題ありませんが、男性のように給与日前はカツカツといっている状況下、貯蓄ができているとは考えられません。

ーー時代を呪うしかない

そんな声が聞こえてくる氷河期世代。正社員化への支援もありますが、男性くらいの年齢では、それほど給与は変わらないのでは、という声も。そんななか、老後のためにできる選択肢はただひとつ。働けるだけ働くこと。現在、厚生年金は70歳まで加入できるので、その分、年金を増やすことができます。また働いている間、年金受給を繰り下げれば、その分、年金額を増やすこともできます。

氷河期世代は、あの手この手と努力を続けるしか方法はないのです。