アイス「あずきバー」で知られる食品メーカー井村屋(本社三重県津市)の中島伸子社長(69)が9月1日、東京の共同通信社で講演した。福井県の福井営業所でのアルバイト勤務を皮切りに正社員、役員へと出世を果たし、3年前にグループのトップに就いた話題の女性経営者。北陸トンネル事故で奇跡的に救出された過去が自分に対して厳しく生きる原点となり、「私の人生は犠牲者への恩返し」と語った。

 中島社長は新潟県に生まれ、父の転勤で福井県立藤島高校時代から福井暮らし。19歳の190721年11月、北陸トンネル火災事故に遭遇、九死に一生を得たが半年入院。煙で声帯を痛め、夢だった高校教師への道も閉ざされる辛い日々を送った。