被告人の身体的魅力が裁判員の判断に及ぼす影響 <論文>
https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00029214

共分散構造分析によるパス解析の結果,被告人の身体的魅力が裁判員の刑罰の判断に及ぼす影響
過程には 2つの過程が存在することが解明できた。
一つは,被告人の魅力が高くなるほど,裁判員は,被告人の情状酌量の余地を大きいと認知するようになり,情状酌量の余地を大きいと認知するほど,量刑判断が甘くなり,殺人罪適用判断が抑制され,傷害致死罪適用判断が促進される過程である。もう一つは,被告人の魅力が高くなるほど,裁判員は,被告人の犯行を被告人の性格へ帰属しなくなり,犯行を被告人の性格へ帰属しなくなるほど,量刑判断と殺人罪適用判断が抑制される過程である。

このほかに,被告人が女性の場合に,また,裁判員が女性である場合に,裁判員は,被告人の情状酌量の余地を大きいと認知するようになり,情状酌量の余地を大きいと認知するほど,量刑判断が甘くなり,殺人罪適用判断が抑制され,傷害致死罪適用判断が促進される過程も解明された