アーニャ「アーニャ、アンドロメダ、有明の月、あわせ鏡」
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アーニャ「夏のアーニャ、冬のアーニャ、こぼれ落ちる砂」
アーニャ「アーニャ、大きなかばんを持って、列車に乗った」
アーニャ「メトロノームが鳴る、菜の花の向こうに、白い鯨がほえる」
アーニャ「アーニャ、アラビアに行った、赤い星を見た」
アーニャ「フラスコ、電気、光る石」
アーニャ「哲学よりも、恋よりも、速い羽」
アーニャ「あやしい葉っぱ、ほうき、空飛ぶ薬」
アーニャ「灰色の空、黒い鳥。」
アーニャ「孤独を抱いて、目を閉じる」 アーニャ「じなん、手みせろ」
ダミアン「は?」
アーニャ「手、出せ」
ダミアン「なんでだよ」
アーニャ「手相、見てやる」
ダミアン「そんなの、お前にできるわけねーだろ」
アーニャ「できるかどうかは、アーニャがきめる」 ダミアン「好きにしろ」
アーニャは、ダミアンの手を両手でつつみました。
ダミアンは、どきっとしました。
男の子の手は、女の子の手よりも、あたたかくて、
女の子の手は、男の子の手よりも、やわらかいので、
ダミアンは、あわ立てた石鹸をにぎっているような心地でした。
ダミアン「何やってんだよ」
アーニャ「じかんの手相をみてる」
ダミアン「それじゃ見れないだろ」
アーニャ「安心しろ。アーニャは経験豊富だ」 アーニャ「じなん、思ってることを言え」
ダミアン「は?」
アーニャ「じなん、好きな人はいるか?」
ダミアン「は!?いねーよそんなやつ」
アーニャ「じなん、手汗すごいぞ」
ダミアン「うるせーな!お前がにぎってるから暑いんだよ」 アーニャ「ちなみに、アーニャは好きな人いる」
ダミアン「ふ、ふーん」
アーニャ「聞きたいか?」
ダミアン「べつに興味ねーよ」
アーニャ「あれは、アーニャがエジプトの王様だった頃」
ダミアン「前世の話?」 アーニャ「あのころは、アーニャは、世に靡かぬ者なき伊達男だった」
アーニャ「地上の人はもちろん、天空の星でさえアーニャに恋せぬものは無かった」
アーニャ「アーニャは、一人の女に恋をした」
アーニャ「黒い瞳と髪の美しい女だった」
アーニャ「星々の冴えわたる夜、アーニャと女は、とわの契りを交わした」
アーニャ「しかし、アーニャが星のまたたきを見上げた刹那、女は消えてしまった」
アーニャ「嫉妬した星たちが、女を砂に変えてしまったのだ」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています