ベトナム人の「闇バイト」急増 円安で技能実習生が小遣い稼ぎか

在日ベトナム人にも、「闇バイト」を募った犯罪が増えている。交流サイト(SNS)上のベトナム人コミュニティーでは詐欺など不正への勧誘とみられる文言が散見され、捜査当局もすべてを把握しきれていないのが現状だ。日本語が十分に分からないまま来日し、ネット上のつながりを頼って甘い言葉に惑わされる人も少なくない。

警察庁のまとめによると、国内のベトナム人犯罪の摘発件数は平成25年に1197件だったのが、令和4年には3579件まで激増。背景には、技能実習生の受け入れ拡大で来日するベトナム人が増えたことがある。

そうした中で問題視されているのが、SNS上での犯罪への勧誘だ。和歌山県で技能実習生として働くベトナム人女性(32)はスマホの不正入手や在留カードの売買などといった投稿を日々目にするといい、「お金に困っていたり言葉の通じない日本で手続きが面倒だったりして、安易に手を出してしまうのかもしれない」と推測する。

捜査当局はそうしたSNS上の勧誘を警戒しているが投稿は増える一方で、捜査関係者は「最近は円安などの影響で日本の賃金が低く、SNS上で募集されている『小遣い稼ぎ』に手を伸ばしてしまうのでは」と話す。