小説書いたから読んで!
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トイレの花子さんは日本に何体存在するのか。彼女は主に小学校のトイレに現れることで知られている。
日本には小学校が19161校あり、その全てを一体の花子さんがカバーしているとは到底考えられない。
一校に一体の花子さんが生息しているのだと仮定すれば、単純計算で19161体の花子さんが日本に棲みついていることになる。
果たしてそうだろうか?
「彼女が多次元空間における存在なのであれば、一体で全ての小学校のトイレに同時に発生することは可能だ」
彼はそう言って小難しい計算式をホワイトボードに書き殴ったが、僕には何一つ理解できなかった。
発言内容から鑑みるに、我々の存在する三次元空間と異なった次元では、日本中の小学校のトイレが同じ座標に重なり合っているということになるのだろうか。
「しかしそこにいるからといって我々の次元から観測できるという保証はない。観測されないのであればそれは存在しないのと同じことだ」
彼は喋りながらも手を止めることはなかった。ホワイトボードが計算式で埋め尽くされていく。当然僕には理解することができない。
「つまり、だ。きちんと彼女を観測できる世界に波動関数を収束させるか、多次元にいる存在を観測できるシステムを構築する必要がある」
波動関数を収束させることが可能なのか、と尋ねると「馬鹿なのか君は。そんなことは無理に決まっているだろう」と一蹴されてしまった。
じゃあシステムを、と言いかけたところで彼は大きなため息をついたので、それ以上言葉を発する気にはなれなかった。
彼は無言で計算式を書き込み続けている。僕は既に理解することを諦めて窓の外を眺めていた。 彼は乱雑に折りたたんだ紙にボールペンを突き刺した。そしてその紙を僕の目の前で広げる。
「すこぶる頭の悪い君にも理解できるように説明してやると、このボールペンの穴が日本全国に散らばる小学校のトイレだ。そして」
再び折りたたんだ紙を僕の前に掲げる。「この次元に花子さんは存在する」
そこまではなんとなく理解できていたのだが、いちいち反論するのも面倒なので僕は軽く頷いた。
「どこのトイレだろうと花子さんは観測できるのだからわざわざ探しに行く必要もなかった」
僕たちの目の前には薄汚いトイレがある。先程マップアプリで調べた近隣にある小学校に忍び込んだのだ。
波動関数を収束させる術を思いついたのか、と言おうとしたがまた馬鹿にされるのが目に見えていたので僕は黙っている。
「僕の計算によればここには既に花子さんが存在しているはずだ」
そう言ってトイレの中に足を踏み入れた彼は、突然まばゆい光に包まれて便器の中に吸い込まれていった。
花子さんってそんな話だったっけ、と僕が考えていると頭上から声が降ってくる。
「私、きれい?」
それは口裂け女だ。僕はこの世に花子さんなんて一体もいないと結論付けて、その場を後にした。
校舎の外へ出て空を見上げる。やけに夕日が眩しかった。 >>2
花子さんは“いる”よ
>>3
まぁナンセンスギャグだから 短編としては良いんじゃない?読めないほど酷い出来ではない 笑いどころがオチだけなのが弱い
オチも笑えないけど ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています