コロナビールが「中国産」へ、物流費高騰でビール業界の生産体制見直し加速

 コロナビールが「中国産」へ――。

 アフターコロナで酒類の需要が回復するなか、“攻めの戦略”に出るビール会社も出始めた。とりわけ大きな変更を予定しているのが、メキシコのビール大手グルポ・モデロだ。

 看板商品である「コロナ・エキストラ」(コロナビール)の日本向け製品について、5月から中国で製造を開始し、6月頃から切り替わると取引先に通達していることが関係者への取材で分かった。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、“風評被害”に遭ったのがコロナビールだ。グルポ・モデロの親会社である世界最大手のビール会社・英アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)は、「2020年の最初の2カ月だけで約2億2100万ポンド(約364億円)の売り上げが失われた」と、20年2月に苦境を明かしている。

 ABインベブは、12年にグルポ・モデロを買収。コロナビールの他にも「バドワイザー」などのブランドを展開する。アジア地域では子会社のバドワイザーAPACがビールの販売・製造を行っており、武漢やハルビンなど13カ所に製造拠点を持つ。

 ABインベブは23年3月、約1億元(約19億円)を投じて中国・四川省の工場を拡張すると発表。バドワイザーのほか、ヒューガルデンなどの銘柄を製造していく計画だ。

https://diamond.jp/articles/-/320885