怪談話あるんだが聞いてくれ
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その少年の通う中学校では、2学年の冬にある神社に行くことになっている
2泊3日の旅行で関東から出たことのない彼にとっては大変楽しみな旅行であった 当日、仲のいい友人らとバスに乗り、そのバスの中でカラオケやクイズなどをして賑わっていた
しかし、バスの中でできることは限られておりだんだんと遊びも飽きてきて、遂には眠ってしまった
目がさめるともう目的地についていた。みんながバスから荷物を降ろしている頃だった バスから降りて周りを見渡すと自然豊かな場所ですぐそばには大変高い山と大きな川があった
その高い山の麓に神社があり、そこで修行体験をする予定となっている 事前にスケジュール表が配られていて、修行体験の内容はある程度想像できた
その日はお坊さんからの修行内容の説明を受けた後に、夕食作りをして、終礼を実施する予定だった スケジュール通りに事が進み、夜の10時、5人部屋の中で仲の良い友人らと共に就寝した
深夜、その少年は何かの音で目が覚めてしまった。ついでにトイレに行こうと部屋を出ると、さっきの音の正体がわかった
成人男性が何かを引きづってるのだ。 少年がいた部屋は一階にあり、部屋を出ると山の麓付近の景色が見える場所なのだ
こんな時間に何をひきづっているのだろう
少年の探究心が擽られてしまったのか、外に無断で出て男の後をついていった 息を殺しながらそっとついていくと、墓地が見えた。
その男性はスコップを取り出し、必死に穴を掘っていた。只事じゃない、と少年は直感的に思いみんながいる旅館の方へ急いで帰ろうとした 逃げようと走り出した瞬間、足元にある大きな石につまづいてしまい、ドンッという大きな音が鳴ってしまった
マズイ、そう思った少年はソッとさっきの男性の方を見ると、血走った目で少年の方を睨みながら猛スピードで向かってきているのが見えた マズイ、殺される
そう思った少年は火事場の馬鹿力と言わんばかりのスピードで旅館まで戻り、必死の思いで自分の部屋に入った 自分の布団に潜り込んだ。布団の中でこのことを先生に報告すべきかで悩んでいた。無断で外に出たというのがバレたくないという思いもあり、すぐには決断できなかったのだ。 そんなことを考えていると、廊下の方から足音が聞こえる
トン、トン、トン
次第にその音が大きくなって自分の部屋に近づいているのがわかった 実は逃げている途中靴が脱げてしまい、片足だけ素足の状態で走っていた
左足が泥だらけで部屋の入り口にはその後がくっきりと付いていた もしかして先生が気づいて説教しにきたんだろうか
そう思っていると廊下と部屋の境にある障子の向こうに人が立っているのがわかった
シルエットだけが映るのだが明らかに先生の体型ではない
もしかして....あの男性なのか
そんな考えが頭によぎった すぐに布団に入り寝たふりをした。
なんとかやり過ごそうとしたのだろう
障子をガラガラと開ける音が聞こえる
何故かその人は息が荒いのだ
そして沈黙が3秒ほど続いた
そのあと、その人は周りをソッと歩いているのがわかった ゆっくり目を開けるとその部屋にいたのはさっきの男だった
その男は布団をめくり、他の生徒の足を少し触って何かを確認しているようだった
「違うな」「これも違う」
5人が横並びに寝ているのだが一番左の生徒から確認しているようだった
少年は右端にいる ちょうど真横にいるA君の布団をめくり、足を触って
「温かいな じゃ違うか」
と言う
次は俺の番だ...
そう怯えている少年の布団をめくり、男は足を触った
「冷たい......お前か」 その後、少年は行方不明となり未解決事件として処理されたそうな ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています