窮民革命論(新左翼)

従来のマルクス主義では革命の主体たりえる者は「労働者階級」とされてきた。
そして最下層階級は極貧すぎてその日暮らしが精一杯であり革命に対する意欲が薄いどころか反革命の温床となりかねないことから「ルンペンプロレタリアート」として軽視していた

日本の新左翼活動家のうち「世界革命浪人(ゲバリスタ)」を名乗る竹中労・平岡正明・太田竜らは新たに「窮民革命論」を唱え注目を浴びた。

これは「一般の労働者は高度経済成長によって豊かな生活が享受できるようになったことで革命への意欲を失っており、革命の主体にはなりえない。
疎外された窮民(ルンペンプロレタリアート)こそが革命の主体となりえる」という理論であり

日本における『窮民』の具体例としてアイヌ民族、日雇い労働者、在日韓国・朝鮮人、沖縄人、部落民を挙げている。

その実態は「社会的弱者を利用して国や秩序、伝統的文化を破壊する」といった新しい共産主義革命の内容であり、余談だが黒人差別反対運動 (BLM)のリーダーは自身がマルクス主義者だと述べている。

日本における窮民の中でも彼らは「アイヌ民族」や「沖縄人」を重要視した
太田竜は自著『再び、辺境最深部に向って退却せよ!』で日本人には「数千年来の皇国の精神」が宿っており左翼といえども誠意をもって接すれば転向させることが可能と戦前の某思想検事が豪語した例を挙げ日本国民ではあるが約百年前に編入されたばかりの「新附の民」であるアイヌ民族や沖縄人には、まだ「数千年来の皇国の精神」を宿していないので反日闘争の志操堅固な活動家を生み出す貴重な人材源になりうるとした

太田竜らは当時結成されたばかりのアイヌ解放同盟や琉球独立党を嗾けて「アイヌ独立」や「琉球独立」を煽った
しかしながら窮民革命論者の真の目的はアイヌ民族や沖縄人の民族自決の意志の尊重ではなく日本解体戦争の先兵とすることであった
そのためアイヌ・琉球独立後の建国ヴィジョンとして対日侵略戦争と日本殲滅が当然の如く掲げられていた