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2023/05/06(土) 20:02:11.936ID:Ohr+wXK5a■家事育児は私8:夫2。子育ては犠牲の歴史
日本の大学などの高等教育費に占める家計負担の多さや、GDPに占める教育の公費負担の少なさは、かねてより指摘されてきた。
加えて母親たちの頭を悩ませているのが、一向に進まない「夫の家庭進出」だ。東京都で小学生の息子2人を育てるBさん(女性)は、
「子育ての歴史は、私が夫に譲歩してきた歴史。常に不平等だと感じてきました」
と振り返る。例えば仕事の出張だ。Bさんが出張に行く場合は体操服など子どもたちが学校で必要な物を準備し、帰宅時間や何をする必要があるかなど夫に宛てた詳細なメモを残していく。一方の夫は自身のスーツケースをまとめるだけ。Bさんに「よろしくね」の一言だ。
これが可能なのは、家事・育児の負担がBさん8割、夫2割だから。
保育園時代は送り迎えをほとんどBさんがやっていたこともあり、そもそも出張自体を諦めていたという。
Bさんの出張と夫の大事な仕事の予定が重なり、同僚に出張を代わってもらったこともある。すぐ不機嫌になる夫より、同僚に交渉するほうが感情労働が少なく済むからだ。
「子どもが体調を崩して園から迎えに来るよう連絡がきたら『いや俺はミーティングがある』、授業参観の出席も『いや俺は会議が』。私だって同じです。でも誰かが行かなきゃいけないから、結局は私が調整します。
プライベートも同じで、夫は頻繁に会食や飲みに行きますが、私がたまに飲み会に参加する場合はずっと前から予定を立てて、夫に子どもたちを見てくれるよう頼み、当日は夜ご飯を作ってやっと出掛けられる。自分の時間を作るのに、複数の工程が必要なんです」
■夫が仕事で成功するのを喜べない
もちろん夫には変わって欲しいと考えている。「週の半分は夕食を作って」と頼んでみたこともあるが、「いつも感謝してるよ」と煙に巻かれた。夫の口癖は「できる範囲のことはやる」だ。家事は一向に上達せず、子どもが「お腹空いた」と言えば、「ママが来るまで待って」か「一緒にコンビニに買いに行こう」となる。
こうした夫の後ろ姿を見ているからか、長男は男性が家事をするものだと考えておらず、「将来は専業主婦を妻にしたい」と意気込む。
そんな夫とBさんは同年代で、職種も一緒。出世のスピードも同じだった。現在はどちらも管理職として働いている。住宅ローンや日々の生活費は折半だ。
「今は夫のほうが収入があるのですが、彼が仕事で成功することを素直に喜べません。
夫はもっと仕事を労って欲しいようですが、むしろ家を守ってきた私こそ労って欲しいです」
■母親になった後悔、やっと言えるように
家事育児の負担が圧倒的に妻に偏っていること、男性より女性のほうが睡眠時間が短いことなど、日本の母親を取り巻く困難な状況は、さまざまな調査で見聞きしたことがあるだろう。
加えて、世間は母親にプレッシャーをかける。Bさんの息子が学校でトラブルを起こした際、スクールカウンセラーから掛けられたのは「お母さんがお仕事をされていて、愛情不足だからじゃないですか?」という言葉だった。
引け目はBさん自身も感じている。専業主婦の友人に比べて、子どもたちに多くの習い事をさせてあげられないからだ。息子が泳げないのはスイミングに通わせてあげられなかったから……など悩みは尽きない。
「せめて夫が習い事の送り迎えをしてくれれば、こんな思いを抱かなくてすむのに。
もし私が専業主婦だったらもっとしっかり子育てできたのかな、もし私が子どもを産んでなかったら夫と同じように出世していたのかなと、どちらの人生も夢想してしまいます。そんな時ですね、子育てのせいで我慢ばかりしていると思うのは。
我慢することに慣れたからでしょうか。あんなに欲しかった1人時間も、今では何をしたらいいのか、やりたいことが見つかりません」
AさんとBさんが共通して愛読書としてあげたのが、イスラエルの社会学者オルナ・ドーナトさんが執筆した『母親になって後悔してる』だ。子育てに葛藤する23人の母親にインタビューして書かれたもので、世界で話題になった。
Bさんは子どもたちにタイトルが分からないよう、カバーを掛けてこっそり読んだという。
2人とも今回の調査結果は、「母親が『子育て否定感』を口にできる社会に日本も変わってきた」という、ポジティブな面もあると受け止めていた。以前はそれすら言い出せない空気があったということだ。
母親たちを追い詰める社会は、健全とはほど遠い。「少子化の解消」には女性たちが生きやすい、子育てしやすい社会を作ることからだと肝に銘じ、問題を1つ1つ解いていくことが重要だろう。