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ぼっちの母「ひとりちゃん、明日のバレンタインの準備はちゃんとしてるの?」ぼっち「え?」
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2023/05/03(水) 23:57:53.571ID:bfnfhzew0
ぼっちの家

ぼっち「バレンタインの準備って…?え、なんで?あ、おとーさんの分?それならおかあさんが毎年準備して」

母親「あらあら、JKとは思えないセリフねえ。だめよ?せっかくお友達ができたんだから、お世話になってる人たちにチョコくらい渡さないと」

ぼっち「え…チョコ?わたしが?みんなに…?」

ぼっち「(そっか…、バレンタインデーなんて、恋愛とか青春を満喫してる人達のイベントだとおもってたから気にしてなかったけど…)」

ぼっち「(クラスの子が友達同士でわたしてるの、教室でみたことあったな…確かに、STARRYの皆の分くらいは準備したほうがいいのかも)」

ぼっち「(けど私、人にチョコなんて渡したことないし、準備って、どうすれば…)」
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2023/05/03(水) 23:58:50.679ID:5/AHywPU0
母親世代でもJKって言うか

今ならそうか…(納得)
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2023/05/04(木) 00:00:27.673ID:C3aIDlHM0
続けろ
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2023/05/04(木) 00:01:29.014ID:v51SaA9x0
キッチン

ひとり「(ネットの知識だと、渡すチョコは買ったやつよりも手作りのほうが喜ばれるって書いてあったし、普段お世話になってるみんなの分くらい、作ってみよう)」

ふたり「おねーちゃんがお台所に立ってエプロンしてるなんて珍しいね?ひょっとしてお料理するの?」

ひとり「うん、おねーちゃん今から手作りチョコ作るんだ」

ふたり「えー、無理だー、おねーちゃんがお料理なんてっ、絶対無理」

ひとり「そ、そんなことないよ、大丈夫だよ、おねーちゃんだってそれくらい。それに手作りチョコって言ったって、ただ市販のものに火をかけて溶かして、形を整えてから固めるだけで…」

ふたり「おねーちゃん、なんか溶けたチョコがブクブクグツグツになって、変なにおいするけどいいの?」

ひとり「え?あ、あれ?ひょっとしてちょっと焦げてる!?ひ、ひ、火を弱めないとっ、ってああっ」ガチャーン

ふたり「おかーさん、おねーちゃんがお台所めちゃくちゃにしてるよー」
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2023/05/04(木) 00:03:44.906ID:v51SaA9x0
次の日の朝の登校中

店員「ありがとうございましたー」

ひとり「(…結局、みんなの分、市販のチョコを買ってしまった)」

ひとり「(昨日作った手作りチョコも一応、1つ持ってきたけど…、正直焦げてぐちゃぐちゃだし…、こんな毒みたいなの渡したら下手したら絶交されてしまう…、お店にやつならキレイでおいしくて間違いないし、こっちのほうがいいよね)」

ひとり「(けど、チョコってみんなにいつ、どうやって渡せばいいんだろう…、こういうこと今までしたことないから、渡すタイミングとかよくわからない…)」

ひとり「(私なんかが急にチョコなんて差し出したりしたら、みんな不審がらないかな…ちゃんともらってもらえるかどうか不安…)」

ひとり「あれ…、なんか…、緊張してきた」

……
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2023/05/04(木) 00:05:34.219ID:v51SaA9x0
その日の学校の昼休み


喜多「はい、ひとりちゃん、これバレンタインデーのチョコっ」

喜多「あ、手作りなのはね、まあ、変な意味じゃないんだけど、ひとりちゃんには普段お世話になってるからってだけで、別にそれ以上に特別な意味はないというか」

喜多「あ、けどね、他の子に渡すチョコよりがんばって作ったんだけどね…まあ、そういう意味じゃあ」

喜多「特別な意味合いが全然ないというわけではないんだけどねっ」

喜多「(………)」
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2023/05/04(木) 00:05:47.905ID:v51SaA9x0
喜多「(いやいや。回りくどいわよね言い回しが…、チョコを渡すだけなのに変な意味でとられちゃうかも…、もっとシンプルに渡す感じのほうがいいかしら?例えば…)」

喜多「はい、ひとりちゃんこれチョコね。いつもありがと!それじゃいつもどおり、練習はじめよっか」

喜多「(……いや、これはなんかそっけなさすぎるわよね。確実に皆にも同じ感じで渡してるんだろうなって、思われちゃう。いや、ちょっとくらい、特別な意味でとってもらいたいというか…ううん)」

喜多「(…あれ、なんで私ひとりちゃんにチョコ渡すだけでこんなに頭悩ましてドキドキしてんだろ…)」

喜多「(いや、ひとりちゃんのことだからバレンタインデーなんて全然興味ないだろうし、やっぱり軽い気持ちで渡す感じが一番…いやけど)」

ぼっち「あ、お、おそくなってすみません喜多ちゃんっ」

喜多「ひゃああ!」
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2023/05/04(木) 00:06:39.677ID:v51SaA9x0
喜多「ひ、ひとりちゃんっ、急に話しかけてきて、驚かさないでよっ」

ぼっち「え、あ、すみません」

喜多「あ、ううん、わたしこそ変な声あげてごめんなさい。……あ!そ、そーだ、ひとりちゃん。これ、チョコ、あげるね」

ぼっち「え?」

喜多「ほ、ほら、今日はバレンタインデーでしょ?」

喜多「バレンタインデーってさ、す、す、好きなひとにチョコあげるっていうそういうイベントと思われがちだけど、ほ、ほら、普段、友達とか、お世話になった人に渡したりするじゃない?その、だから、その、あの…ひとりちゃんにもその」

喜多「(わ、わたしのばかっ、な、何でこんな緊張して変なこと口走ってるの!?)」

ぼっち「……」
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2023/05/04(木) 00:07:18.628ID:v51SaA9x0
ぼっち「(喜多ちゃんもお母さんと同じこと言ってる。そっか、バレンタインデーってやっぱり友達同士とかで普通に渡しあいっこするものなんだし、そんなに緊張しなくてもいいんだ)」

ぼっち「あ、ありがとうございます、喜多ちゃん。ありがたくいただきますね」

喜多「う、うんっ!」

喜多「(よ、よかった、ちゃんと自然な感じで、ひとりちゃんに渡すことができて!)」

ぼっち「あ、私も喜多ちゃんにチョコ持ってきたんで、あ、これどうぞ」

喜多「は?」

ぼっち「え?」
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2023/05/04(木) 00:08:57.498ID:v51SaA9x0
喜多「ちょ、チョコ…?これ、ひとりちゃんが…、わたしに…?」

ぼっち「え…?あ、はい…、私も、喜多ちゃんには普段お世話になってるから…、その…あ、あの、何か変…でしたか?」

喜多「あ、ううん、そんなことないわ。ありがと、ひとりちゃん。私もありがたくいただくねっ」

喜多「…さ、それじゃいつも通り、練習はじめましょっか」

ぼっち「あ、はい(よかった、ちょっと変な顔された気がしたけど…、普通に笑顔で受け取ってもらえた)」ホッ
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2023/05/04(木) 00:09:13.017ID:v51SaA9x0
練習中

喜多「(………)」ジャーン

喜多「(えええええええええ〜〜〜!!!ひ、ひとりちゃんが、チョコ!?う、うそっ!?うそっ)」

喜多「(ひとりちゃんってバレンタインデーとか全然興味なさそうだし!チョコ、もらえるなんて夢にも思ってなかったのに!?ちゃ、ちゃんと準備してきてくれたんだ、わ、わたしのためにっ!?)」

喜多「(市販のやつっぽいけど、ひとりちゃんそもそも料理なんてしなさそうだし、手作りじゃなくたって全然…、あれ、どうしよう、なんか、私、ものすごくうれしいっ!!)」

ぼっち「…(よかった。うまくチョコ渡すことできて。ちょっと緊張したけど、今日はバレンタインデーだし、喜多ちゃんみたいに普通に渡せばいいんだ。心配して損した)」

ぼっち「(よし、この調子で、今日のバイトの時、他の皆にもチョコ渡していこうっ!)」

喜多「……っ、……っ」ジャーン!ジャーン!ジャーン

ぼっち「(あれ、それはそうと喜多ちゃん、今日演奏が心なしか激しいような…)」
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2023/05/04(木) 00:12:43.865ID:v51SaA9x0
放課後 下北沢駅周辺

ぼっち「(あれ、あの後ろ姿は…)に、虹夏ちゃんっ」

虹夏「あれ、ぼっちちゃん。おつかれーこれからSTARRY行くよね?一緒いこっか」

ぼっち「は、はい」
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