なぜかそれをありがたがる奴がいて、僕の部屋からは図書館から借りた本が消えた。ブラックホールのやつは全て自分のものだって騒いで、誰からも奪っていないと言った。
僕は台所に立ってコップに水を注いだ。井戸水だ。ブラックホールのやつはそれを見てなにを思ったのだろうか。
おそらく常人の思いつく発想ではないことだけは確かだった。だから僕は祖父に聞いた。
「井戸は俺が掘った。」
僕は彼の家族なのでこの美しい水が飲めるのだ。