貯金者が権利を失った郵政民営化前の郵便貯金が急増している問題で、朝日新聞が貯金を実際に失った郵便局の利用者9人に取材したところ、全員が「貯金を失うまで消滅制度を知らなかった」と回答した。専門家からは、国による法制度の周知が不十分だったとの指摘が出ている。

【写真】次女の誕生記念につくった写真入りの定額郵便貯金証書。「払戻開始日以後はいつでもお支払いいたします」と書かれているが、15万円が紙切れになってしまった

 朝日新聞が取材した9人は、昨年までに貯金を失った50〜80代。夫婦と子どもの3人で計820万円(元本のみ)を失った家族もいた。

 9人のうち4人は、郵便局の窓口で貯金を下ろそうとした時点で権利が消滅していて、そこで初めて消滅制度の存在を知った。3人は昨年の朝日新聞報道で、1人は郵便局の貼り紙で制度を知った。残る1人は消滅期限が近い貯金があると知らせる手紙が届いたものの、すでに一部の貯金が消えていたという。



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