【AFP=時事】完全な隔離生活が人体に及ぼす影響について調べる実験を続けていたスペイン人の女性登山家が14日、地下の洞窟から500日ぶりに姿を見せた。

 ベテランの単独登山家、ベアトリス・フラミニ(Beatriz Flamini)さん(50)は黒っぽいサングラスをかけてスペイン南部モトリル(Motril)近郊の洞窟から現れると、出迎えた家族と笑顔で抱擁を交わした。

 フラミニさんは記者団に対し、「1年半、誰とも話さなかった。独り言だけだ」とし、「掛け替えのない」経験だと話した。

 フラミニさんが地下70メートルで隔離生活を始めたのは2021年11月21日。世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るうさなかで、ロシアがウクライナに侵攻する前のことだ。フラミニさんは「世界で何が起きているのか分からない。私にとって、今はまだ2021年11月21日のままだ」と語った。

 フラミニさんやチームのメンバーが全国紙パイス(El Pais)など国内メディアに語ったところによると、緊急時に助けを呼ぶためのインターネット用のルーターが故障した1週間は地上での生活を余儀なくされたが、その時もテントで隔離生活を続けた。

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