「おいで >>2ちゃん……」
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?「おはよう やっと気が付いたんだね」
2「ど、どこだここ……お前は誰だ」
?「ふふっ覚えてない? じゃあ2ちゃんが思い出すまで『ドール』って呼んでもらおっか」
気が付くと2は真っ白な空間にいて
アニメのヒロインのような可愛い女の子と二人きりで喋っていた
ドール「それにしても前会ったときと違って随分髪の毛が少なくなっちゃったね?」 2chはもうscとかいうひろゆきのアフィ転載用クロールサイトしかないよ 2「おい」
ドール「まぁ2ちゃんの頭が寂しくなったことは置いといてさ」
2「置いとくな謝れ」
ドール「やーっとまた会えた! 嬉しい!」
2「だからお前のことなんか知らんて」
ドール「私は知ってるもん 久々のお友達だもん沢山遊ぼうね」
ドールは2の手を引く
ドール「ほら来て〜! 小旅行を始めるよ〜!」 真っ白い空間の中を泳ぐように
ドールは2の手を取ったままスイスイとどこかへ向かっていく
2「これは……!?」
すると 一面の白だった空間の中に沢山の時計が浮かび上がりだした
ドール「2ちゃんはいっぱいの時間を電子掲示板で過ごしたんだね 見て! これが君の刻んできた思い出だよ〜!」
2「う うおお……」
目の前にふわりふわりと 2がこれまで書き込んでいったレスが浮かび上がる
イキり倒していた中学生時代
とにかく煽ってレスバをふっかけてストレス発散していた浪人時代
そして 楽しかった数多くの『祭り』たち……
2「……あっ!?」 2「こ これは……」
それは2がかつて高校生だった頃に参加した祭りのスレッドだった
流行りだった『架空の○○を作って〜を釣ろうぜ』系の趣旨でかなり良いところまで盛り上がったあのスレ
しかしあるとき突然これまで指揮を執っていた1が疾走し なぁなぁになって頓挫してしまったのだ
ドール「もう 思い出したよね?」
2「ああ……お前はあのとき作られた『架空の○○』……!」
ドール「正解 改めて久し振りだね」
ドールは寂しそうに笑った 2「なんでお前がこんなところに? 俺を呼び出した理由はなんなんだ?」
ドール「順に答えていくね」
ドールは悲しげに目を伏せ 胸に手をあてた
ドール「あのスレの1は祭りの指揮を執っていただけじゃなくて 私のキャラクターデザインもしていたでしょ」
2「……そうだっけ?(´・ω・`)」
ドール「そうだよ! 当時のスレ民の意見を集めてデザインしたんだよ 生み出された私が言ってるんだから間違いないよ」
2「うーん言われてみればそうだったような」
ドール「端的に言えば あの1はもうとっくに生きてはいないわ」
2「……え?」
ドール「亡くなったから スレからもいなくなったんだよ」
呆然とする2を真っ直ぐ見つめながら
ドールは説明を続ける
ドール「あの1はアニメ製作会社に勤めていて過労づくめの毎日だった
ある日あまりにも疲れ切った1は息抜きに自由に創作活動をすることにした
仕事に縛られない関係の見ず知らずの人たちを巻き込んでね
それがあの『架空〜』のスレ」
だけど……とドールは声のトーンを落とす
ドール「スレが異様な盛り上がりを見せてプロ魂に火をつけてしまった1は身を削って頑張ってしまった
それと過酷な本業とで板挟みになって遂に突然倒れてしまって……」 ドール「そして私自身も 命を吹き込まれなかった中途半端な存在としてネットの海に棄てられた
ここは忘れ去られた情報が集まる最終処分場
私はその管理者だよ」
2「そんなお前がなんで今更俺を……」
ドール「ふふっ……」
細く息を漏らして ドールは諦め混じりの寂しげな笑みをもう一度浮かべた >>12
当たりだよん
またぶっつけ本番だけど出直してきた ドール「私が作られたのはもうずっと前 それこそ『2ちゃんねる』での交流が凄まじく盛んだったくらいの昔」
2「あぁそうだったな」
ドール「最初は我慢できたよ 日の目を見ずに終わっちゃったけどまだ私にも役割があるなら頑張ろうって でもここには誰もいない いつまでも真っ白で……もう耐えられなかった! もう一度人間とお話ししたかった!」
2「それがなんで俺なんだ?」
ドール「あの時あそこに集まっていたほとんどの人はもう掲示板から卒業してしまった」
だけどね とドールは少し嬉しそうに口元を緩ませる
ドール「2ちゃんねるが廃れ5ちゃんねるが興って……そうして時が流れてもずっとあなたは、2ちゃんは掲示板への繋がりが強かった
そりゃあ少しは若さを失ってハゲニートに変わっちゃってたけど……」
2「うっせぇ」
ドール「それでもあなたは変わらず掲示板のすぐそばでいつも生活していてくれた
だからあなたを呼び出せたの」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています