一人でさくら並木をふらふらと歩いた、汗ばむような春の日の事だった
ひらひらと桜花びら舞い落ちる。季節はずれの雪のようだ
すれ違う人は不思議なほどにみんな笑顔だ、春だからなのか日曜だからなのかみんな笑顔で通り過ぎていく
ショーウィンドウがふと目に入る。自分の姿が映っていた。違和感に目を凝らす。びっしりと額にさくらの花びらが着いていた。春が嫌いだ。