自殺者が春先に多いのは世界的にもみられていて,日本特有の新年度による環境の変化だけでは説明がつきません.

そのメカニズムについては,春先には日照時間が増えてくるので,メラトニンが減少し,これが自殺のスイッチを入れるという推測がなされてきました.

最近の研究で,アメリカの自殺した495例の軍人の2年以内に採取した血液を調べたところ,ビタミンDの低下と自殺率には相関があることが報告されており,日光は自殺と関係があるのかもしれず,日光浴が自殺を予防する可能性があるのかもしれませんね(Umhau JC, et al:Low Vitamin D Status and Suicid).

さらに,春先にわれわれを悩ますものといえば,花粉ですが,花粉アレルギーと自殺にも相関があると報告されています(Amritwar AU, et al:Mental Health in Allergic Rhinitis:Depression and Suicidal Behavior. Curr Treat Options, Allergy, 4:71-97, 2017).