東アジアに多いとされる、アルコールを代謝しにくい体質の人が飲酒をすると、スキルス胃がんに代表される治療の難しい「びまん型胃がん」の発症リスクを高めるとする研究結果を国立がん研究センターなどが14日、発表した。千人以上の患者のがん組織を遺伝子解析した。発症予防や治療法発見につながると期待される。

 もともとびまん型胃がんと飲酒の関連は指摘されていたが、遺伝子解析で初めて裏付けられた形。研究チームの柴田龍弘・がんゲノミクス研究分野長は「代謝しにくい人が飲酒する際は注意が必要だ」としている。

 がんの中でも胃がんは患者数と死亡者数がそれぞれ3位と多い。チームによるとびまん型は胃がん全体の約3割を占める。