【物語】道を踏み外した男と標的にされた少年
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第六話「白瀬の思い」(続)
「栞菜ー!包帯緩んでた気がするから気をつけろよ!」
階段を上がって行った栞菜に大きめの声で注意するが、返事は無い
「はぁ…大丈夫かな」
あとでまた下に降りてきた時にでも告げておこう
「っしょっと、あっいって!!」
ゴツンと台所にある食器棚の開けっ放しにしてしまっていた扉に頭をぶつける
しゃがんでいた体勢から立つ時に俺はたまに開けっぱなしの扉に今をぶつけてしまう
開けっぱなしの扉は俺が開けたのではなく栞菜の気遣いで食器をしまいやすいようにしてくれてるらしかったのだが、なかなか扉を避けて立ち上がることに慣れない
「これももうやってくれなくていいんだけどな笑
少しでも力になりたいんだろうな、右腕骨折してると大好きな料理もできないもんな」
俺はそこまで身長が高すぎるというわけでは無いけど、立ち上がる時に食器棚の扉に届くには届く
俺の身長は175cm前後で、クラスでは少しだけ高い部類に入るくらいだ
ちなみにクラスで長身だと言われている青柳は180cmを超えている 第七話「白瀬の夢」
俺の小さい頃からの夢は小児科の医師だった
理由は、小さい頃に事故で重大になった際に、苗字は覚えていないが男性の名医に助けられてからだ
下の名前だけ覚えている…仙太郎先生だ
苗字がどうしても思い出せない…
今は某大学の医学部に入るために勉強をしているのだけど、どうしても成績が不振で最近停滞期だから明日学校に行った時に片山に全教科の勉強を教えてもらおうと思っている
教えてもらったところで俺は片山じゃ無いから片山のように出来るわけはないけど、片山は相当効率の良い勉強方法をしていると機能勉強を教えてもらった飯島が言ってたので聞いてみれば何か得るものがあるかもしれない 「青柳は… 何を勉強してるんだろうな」
俺は青柳がたまに救命医療についての本を図書館で手に取っていたのを前に見たことがある
それが少し青柳のイメージとは違って驚いたことだった
そのことが俺の将来の夢のことを考えているとふいに頭に浮かぶ
朝
「行ってきまーす」
栞菜「行ってらっしゃいー」
今日は学校でやることといえば、片山に勉強方法で効率の良い方法を教えてもらうこと…そのために全部白紙の専用の勉強ノートまで作った
飯島「おっはよ!ヘイ!!」
後ろから肩をどつかれる、息が止まるかと思った
飯島「お前今日寝癖がすげえな!準備する時間なかったのか?」
「いや、片山に勉強教えてもらうことだけ考えてて、今日はあんまり髪型について意識してないだけ。あとは妹の栞菜に髪の毛を引っ張られたからそのせいもあるかもな」 第八話「入江拓真という男」
僕はクラスで五味裕太郎と仲が良く、よく一緒に休み時間に話している
声が小さいのが僕のコンプレックスだけど、裕太郎も声が小さいからお互い様って感じで長らく一緒に仲良くしている
僕の考え方は、目立つ人とか人のために何かできる人って自分が好かれてると思ってるんだろうなってことかな
それは経験上、というか、なんとなく思っているだけなんだけど
あとはやっぱり人に見てもらいたいからとか、子供っぽいんだろうなーって思う
だから僕はそんなことしないよ、まさに白瀬みたいなやつのことだね
あれは他人の気を引きたいだけでしょ、きっとそうだよ
だって僕は他人の幸せを願って他人のために何かしたことないから、きっとあんなの偽善で見てもらいたいだけの自己中なんだよ
きっとそうだ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています