北方領土周辺での日本漁船の安全操業を定めた日本とロシアの間の漁業協定に関し、ロシア側が今年の操業条件を決める政府間交渉に応じない方針を日本政府に通告した問題で、露外務省は29日、「(ウクライナでの軍事作戦の開始後)日本は国際法違反の制裁発動などロシアに非友好的措置をとりながら、恥知らずにもロシアを公然と非難している」などとし、通告は正当だとする声明を発表した。

同省のザハロワ報道官名義で出された声明は「対話の正常化には、日本はロシアを尊重して両国関係を修復したいとの願望を示すべきだが、日本側にそうした願望はみられない」「わが国の決定に対する日本側のいかなる『抗議』も受け入れない」とも主張した。

ロシアは日本に圧力をかけ、ウクライナ支援を見直させる思惑だとみられる。

漁業協定は北方領土問題を棚上げする形で1998年に結ばれた。日本側がロシア側に協力金を支払って北方四島周辺でのホッケ漁やタコ漁などを行う仕組みで、両国が毎年、操業条件などを協議してきた。

日本政府によると、ロシアは今月19日、外交ルートを通じて協議には入らないことを日本に通告した。

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