ベトナムが日本に高速鉄道建設への支援要請、日本メディアが大々的に報じない理由は…

2023年1月20日環球時報は、ベトナムが日本に高速鉄道建設の支援を要請したと報じた。
記事は、ベトナムのファム・ミン・チン首相が13日に日本の鈴木俊一財務相と会談した際に、
ベトナム南北高速鉄道建設の支援を要請したと紹介。

同高速鉄道はハノイとホーチミンを結ぶ全長1559キロの路線で、時速は320〜350キロ、
総工費は648億米ドル(約8兆3700億円)に達する見込みだと伝えた。

一方で、支援を要請された日本の態度は曖昧であるとし、鈴木財務相は「ベトナムからの
要請を検討し、実行可能な計画を出したい」と語ったものの、日本メディアはこの件について
大方沈黙を保っていると指摘。

ネット上では岸田政権による「バラマキ外交」を批判する声が強く、日本メディアは政府の
取り組みをかき乱すことを避けるために大々的に報じないことを選択した可能性があるとの
見方を示した。

また、ベトナムはもともと05年に高速道路建設計画を打ち出し、14年の着工、35年の
全線開通を目指して06年に日本と支援に関する覚書を取り交わしたものの、10年に
ベトナム国会で審議された際に総工費がベトナムの年間GDPの半分程度にまで
かさむことが発覚し、計画が否決された経緯を持つとも紹介。

15年にも再び南北高速鉄道計画づくりを始め、19年に新たなプランを打ち出したものの
「時速350キロの列車は投資コストが高すぎる上、旅客輸送専用では物流サービスの
競争力を高められない」として国家評議審査委員会が招聘(しょうへい)した
諮問グループの同意を得られなかったとした。

その上で、日本ではベトナム高速鉄道建設はアジアの高速鉄道市場の10分の1を占める
規模とされ、大きなビジネスチャンスと見なされる一方で、沿線の土地価格上昇により
鉄道建設コストが容易に支援できない水準にまで高騰すると見ており、
建設支援は大きなリスクを伴うとの認識があることを伝えた。
https://www.recordchina.co.jp/b907999-s25-c100-d0193.html