「ああ、かわいそうに。」と犬はいいました。「ぼくもおまえを助けてやりたいけれど、なにも持ってないんだよ。」
そして犬はまた歩きだしました。それからまもなく、犬はあっちの藪から殺人鬼に追いかけられ、こっちの藪へ逃げこみました。そのあとを追ってきた殺人鬼は、ちょうどそのとき、その藪の中でばったり出合い頭にぶつかりました。そして二人はしばらくのあいだ、夢中で押しあったり引っぱったりして争いました。けれども、とうとう二人は抱き合いました。するとどうでしょう! 二人の体はぴったりくっついて離れなくなったのです。
そこで殺人鬼は、大喜びでこういいました。
「おやおや、こんなところにぴったり合うものがあるぞ!」
「ほんとうですねえ。」と相手もペニスをふくらませながら答えました。「これはわたしたちのために作られたんですねえ。」
こうして二人(というより二匹)は、すっかり満足して家路につきました。
さて、それからというもの、二人は夜になると森のなかでいっしょになり、いつも楽しく遊びました