A:役所に生活保護の相談・申請をしましょう。その後、生活保護が支給されるか審査され判断されます
日本の法律のひとつに、「日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」としての生活保護法があります。

生活保護費は、厚生労働省で定められた「最低生活費(生活するために最低必要な費用)」より世帯収入が低い時に、世帯収入との差額が支給されます。

最低生活費は、住んでいる地域や年齢、世帯の人数等、それぞれの事情によって、自治体が判断します。年金や手当などをもらっている時でも、足りない分の支給を受けることができます。例えば、老齢基礎年金の満額は、月額6万4816円(令和4年度)、およそ6万5000円です。一方、生活保護費は、居住地域によって異なりますが、60歳の単身世帯ですと10万~13万円前後が多いようです。したがって、自治体の判断によっては、年金で足りない分の支給を受けることができます。

生活保護を受ける場合には、まず地元の役所(生活保護担当部署)に相談して申請することになります。その後家庭訪問や資産の調査、親族へ「援助できますか?」と問い合わせ(扶養照会)された後、およそ14日くらいで決定されます。

生活保護を申請する時に、持ち家がある場合や、預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活費に充てるよう指導されます。

また、生活保護を受けるようになると、自動車やぜいたく品など、所有物が制限されることや、ローンを組めない、クレジットカードが作れない、定期的に役所の職員などに訪問される可能性がありますので、よく考えた上で生活保護を受けるかどうか判断することが必要です。


監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)