https://www.youtube.com/watch?v=q6tnsg07yUk&t=109s

母がまだ若い頃 僕の手をひいて
この坂を登るたび いつもため息をついた
ため息つけば それで済む
うしろだけは見ちゃだめと
笑ってた白い手は とてもやわらかだった
運がいいとか 悪いとか
人は時々 口にするけど
そういうことって 確かにあると
あなたを見てて そう思う
忍ぶ 不忍 無縁坂 かみしめるような
ささやかな 僕の母の人生

いつかしら僕よりも 母は小さくなった
知らぬまに白い手は とても小さくなった
母はすべてを 暦にきざんで
流してきたんだろう
悲しさや苦しさは きっとあったはずなのに
運がいいとか 悪いとか
人はときどき 口にするけど
めぐる暦は 季節の中で
ただよいながら 過ぎてゆく
忍ぶ 不忍 無縁坂 かみしめるような
ささやかな 僕の母の人生