1994年に北区東十条で一人暮らし始めた頃の話。
夕暮れに学校から帰宅するとよく顔に傷の入った新聞拡張員に脅され、強制的に契約させられた。
脅し文句はだいたい以下の通り。

「ハンコ押せばそれでいいから。嫌なら若いもん呼ぶから待っとけ。おい!」
若いヤクザ「おまえ断ったらどうなるか分かってんだろな?この辺歩けなくしてやっからよ。いいからハンコ押せや」こんなのが日常、当たり前。怖さで声が震えた。隣人も助けてはくれない。

ダイヤルQ2もやばかった。料金振り込んだのに後日留守番電話に「ユウワ管財と申します。〜日までに利用料8万振り込まないと面倒な事になります。」とドスの効いた声で留守電が入ってた。

恐ろしくなり当時の彼女に、事情を話し振込みしようか迷ってると、その日ニュースで「ダイヤルQ2業者が恐喝で逮捕された」と報道が。程なくして柔らかい女性の声でダイヤルQ2業者から電話があり、「こちらの手違いでした。振込みは結構です。」と聞かされた。あの時の安堵感は、今でもリアルに思い出せる。
90年代、ネットや携帯が普及する前の話。街には危険がありふれていた。