元理事とAOKI前会長の面会場面 東京地検が録音データ複数入手

https://news.yahoo.co.jp/articles/aa00da5d4babea0d5bef3762d97cb1565321c735

東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー選定を巡る汚職事件で、大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)=受託収賄容疑で逮捕=とAOKIホールディングス(HD)前会長の青木拡憲(ひろのり)容疑者(83)=贈賄容疑で逮捕=らが、スポンサー選定前に面会している場面をAOKIHD側が録音していたことが関係者への取材で判明した。東京地検特捜部は録音データを入手しており、両者のやり取りを裏付ける物証と位置付けている模様だ。

 関係者によると、元理事と前会長は同社がスポンサーに決まる約1年9カ月前の2017年1月ごろから元理事が経営する東京都内のステーキ店などで面会を重ねていたとされる。録音データは複数あるとされ、面会に同席した前会長の複数の部下が「備忘録」として録音していたという。

 元理事と前会長はこの時期に契約に向けてスポンサー料(協賛金)を調整していたとされる。17年夏の録音には元理事、前会長の他に前会長の弟で同社前副会長の青木宝久(たかひさ)(76)、同社専務執行役員の上田雄久(かつひさ)(40)の2容疑者=いずれも贈賄容疑で逮捕=らの発言が含まれていたという。

一方、元理事は逮捕前、周囲に「前会長とは複数回会っており、どの場面でどういう会話をしたか覚えていない」と説明。また、17年1月に元理事が協賛金の額として7億5000万円を前会長に打診し、同年夏までに協賛金5億円、元理事が推薦する競技団体に先払いする選手強化費2億5000万円で合意したとされる疑惑については「7億5000万円を打診した事実はなく、協賛金を事前に調整していない」などと否定している。